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2021.10.17 08:00

小社会 落語家の境地

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 今月7日、死去した落語家の柳家小三治さんは、2日に東京・府中市での落語会が最後の高座となった。誰もが認める大名人が古典落語を語り、81歳の生涯を現役のまま静かに閉じた。それだけでもすごいことだ。

 演目は「猫の皿」。茶店に立ち寄った道具屋が猫が餌を食べている皿をふと見ると、これがとんでもない高価な茶わん。道具屋はこの猫を三両で買い取り、飯をやるのにその皿もと、茶屋の主(あるじ)と丁々発止のやりとりをする。

 実は主の方が道具屋より数段上手という落ち。落語の世界では知らぬ人のない古典中の古典を、小三治さんが演じるとひと味もふた味もほかの名人とはまた違った滋味があったろうと思う。

 ほかの師匠は古典落語を面白くしよう、しようとして噺(はなし)に磨きをかけてきた。ところが晩年の小三治さんはそんな若手落語家のテクニック重視、ウケ狙いの語りを最も嫌った。

 理由は簡単。高座の上から笑わせようという作為をもって演じる噺は、寄席の客にはどこかで面白くない。小三治さんの師匠である五代目柳家小さん師匠に「おまえの噺は面白くねえな」と言われた教えを愚直にまで考え抜き、達した境地だ。

 最後の演目「猫の皿」も、庶民のどこか滑稽で人間のどうしようもない喜怒哀楽を表現する。若い世代にも支持を得るだろう。小三治さんが「最も嫌い」と語っていた政治家は、高座の上から国民にウケ狙いで語っていないか。


10月17日のこよみ。
旧暦の9月12日に当たります。つちのえ いぬ 五黄 友引。
日の出は6時12分、日の入りは17時30分。
月の出は16時06分、月の入りは2時34分、月齢は10.7です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時32分、潮位164センチと、16時32分、潮位180センチです。
干潮は10時01分、潮位50センチと、22時30分、潮位74センチです。

10月18日のこよみ。
旧暦の9月13日に当たります。つちのと ゐ 四緑 先負。
日の出は6時13分、日の入りは17時29分。
月の出は16時35分、月の入りは3時35分、月齢は11.7です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時22分、潮位175センチと、16時59分、潮位185センチです。
干潮は10時40分、潮位49センチと、23時00分、潮位59センチです。

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