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2021.09.15 08:00

高知県宿毛市出身の人権家・大江卓の功績に思い 没後100年の講演会に80人

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「大江は平和、正義、国際化のシンボル」と説明した大西比呂志教授(宿毛市の宿毛文教センター)

「大江は平和、正義、国際化のシンボル」と説明した大西比呂志教授(宿毛市の宿毛文教センター)

 明治期に活躍した宿毛市出身の人権活動家、大江卓(1847~1921年)の没後100年を記念した講演会がこのほど、同市中央2丁目の宿毛文教センターで開かれた。大江が設立に関わったフェリス女学院大学(横浜市)の大西比呂志・国際交流学部教授(66)が登壇し、約80人が地元の偉人の功績に思いをはせた。

 大江は神奈川県権令(副知事)時代の1872年、横浜港に入港したペルー船で奴隷扱いされていた清国人約230人を、裁判により解放したマリア・ルス号事件などで知られる。大西教授は11日の講演で、西南戦争に乗じた挙兵計画に携わって投獄されたことや、韓国で鉄道建設に尽力した実業家としての活動など、大江のさまざまな側面を資料に基づき紹介した。

 出家して部落解放組織を設立後、亡くなるまでの生涯を振り返り「常に新しい知識を取り入れ、国内外さまざまな人と交流した」と説明。現代のグローバル化や新型コロナウイルス禍での感染者への差別などに触れ「大江の生き方は他者との共生を考えるヒントになる」と訴えた。

 講演会は大江を顕彰する「卓囲会」が主催。一族でもある大江貞男会長(73)=宿毛市自由ケ丘=は「地元の人に功績を知ってもらい、いつか、関連資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に申請したい」と夢を語った。(新妻亮太)

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