2021.09.10 06:34
北極圏の氷で大気汚染研究 硫酸減らない原因を解明
グリーンランドでアイスコアを掘り出す様子=2015年(グリーンランド南東ドームアイスコアプロジェクト提供)
大気汚染物質の一つ、二酸化硫黄の排出削減が進んだにもかかわらず、二酸化硫黄から生成される微粒子「硫酸エーロゾル」がそれほど減少していない原因の一端を解明することに、東京工業大などの研究グループが成功した。手掛かりとしたのは、北極圏に位置するグリーンランドの氷。柱状に掘り出した「アイスコア」を分析することで、大気汚染過程の変化が判明した。
雪が降り積もってできた氷は、過去の大気の記録でもある。表面に近いほど新しく、深くなるにつれ古くなるため、時間的変化が分かる。今回は北海道大が2015年にグリーンランド南東部で掘削した長さ約90メートル分のコアを用いた。