2021.08.01 08:00
声ひろば 2021年8月1日、日曜日
【有岡憲助、42歳、歯科医師、香南市】
私の父方の祖父は帝国海軍出身で、戦時中は長崎の川棚海軍工廠(こうしょう)で兵器製造に従事していたそうだ。生前の祖父は当時を振り返り、海軍伝統「軍人精神注入棒」で尻を殴られ擦り傷を負って大村湾で遠泳訓練した際の事を「海水が傷にしみてしょう痛かったぜよ」と笑い話にしていた。
他にも秘匿性が高い魚雷発射試験場には「目隠しをして連れて行かれた」など興味深い話も語ってくれた。しかし一番驚いた話は「連合艦隊旗艦を長く務めた戦艦長門はなじみがあるが、大和はその存在自体も戦後知った」という事だ。
沖縄へ海上特攻した大和の悲劇的最後は多くの戦争映画で描かれるし、民間人ならいざ知らず海軍にいたのになぜ知らなかったのか? 確かに大和は建造計画から最高軍事機密であった事は後世知られるようになった。
だが考えてみると、私たちはそうした史実も結果から知る事ができるが、戦時中は各艦艇の作戦内容どころか、魚雷の性能まで軍事機密である。ましてや当時の大本営発表は正確な戦果・損害を伝えていなかった。
つまり大和やその乗組員に限らず、当時はいつどこでどのような最期を遂げたかも知らされない、その幾百万の戦没者の犠牲の上に現代の平和がある事を私たちは知るべきであろう。
2.梅雨明けの美しいコケ
【松坂せい子、78歳、高知市】
コケは梅雨明けの今ごろが青々と一番美しいと思う。7月23日付本紙「森散歩」にも笹ケ峰のみずみずしいコケが掲載された。
不入山(津野町)の源流点では、コケから一滴、二滴としずくが落ちる。これが四万十川を下り、海へとそそぐ! 感動的です。
工石山(高知市)の賽(さい)の河原もきれいな水でサンショウウオがすみ、コケも美しい。
石鎚山の笹倉(さぞう)湿原(愛媛県久万高原町)。ウマスギゴケが緑のビロードのように輝く群落も忘れられない。
古刹(こさつ)・庭園にはコケが欠かせない。竹林寺(高知市)、青源寺(佐川町)、国分寺(南国市)の手入れされた庭のコケは、辺りの樹木とマッチして荘厳だ。
京都・洛西の西芳寺は別名苔寺(こけでら)といわれるだけに別格です。コケの上のヤブツバキ、ナツツバキの落花、紅葉のカエデの落葉と、緑のコケとのコントラストは一幅の絵のようだ。
手水(ちょうず)鉢を囲んだコケ、石を包み込んだコケ、切り株に生えたコケ…。自然がつくりだす、ふっくりとした優しさ、しっとりとした軟らかさは、わびとさびの世界へと誘ってくれ、安らぎと癒やしを与えてくれる。水に恵まれた日本の風土が醸し出す小さな植物。
湧き水の鼓動は太し苔茂る(上岡正子)
3.高知の応援団
【田村和美、68歳、主婦、高知市】
私は高知SGGの一員として英語ボランティアガイドをしています。コロナ以前は、海外からのたくさんの観光客を高知城などで案内しました。この1年余り外国人観光客の姿はなく、ガイドの仕事もなくなりました。
でも、いつか状況も好転するはず、それまではガイド技能を向上させる勉強を続けていこうと、勉強会はこれまで通りに開催しています。
昨年から取り組んできたのが、路面電車を使って市内観光地を案内する英語のガイドテキストを作ることです。これまで案内したことがないような場所を見つけて、どのように説明するかを熱心に討議し、念入りに英文チェックもしました。
最後の仕上げは、アメリカ人とイギリス人の先生を実際に案内して反応を見ることです。7月、梅雨の晴れ間の蒸し暑い日に隔週で2回行いました。参加者がそれぞれの担当場所を決めて英語でガイドしました。
浜口雄幸解願の碑の前では、この記念碑を再建するのに尽力された方が通りかかり、詳しいいきさつや石碑の意味など説明してくれました。織田歯科医院の建物を見学していると、中から院長が出てこられ、建物の歴史など詳しいお話を聞くことができました。参加者のガイド内容も多彩で、絵本や写真を使ったり、歌を歌ったり、菓子を食べさせたりと工夫を凝らしていました。
コロナとの闘いはまだまだ続くかもしれません。でも、私はできるだけ平常の生活を保っていきたいと思います。出口を信じて、できることを積み重ねていきます。
ボランティアガイドですが、高知の応援団の一員として頑張ります。
4.「小さな声」も届けたい
【中沢義幸、66歳、土佐清水市】
厚生労働省は7月21日、新型コロナワクチン接種後に死亡した事例が16日までに751件に上ったことを明らかにしています。しかし、そのほとんどが“専門家”の評価によると「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」というふうに分類化がなされています。
正式には、治験中のこのワクチン(ファイザー社のメッセンジャーRNA=mRNA=は治験中で2023年5月治験終了予定)の危険性以上にその効果をうたい、大規模接種を勧めようとしている国には不信感以上に怒りすら覚えます。
子どもへの接種も進められようとしていますが、未来ある子どもに予防をはじめ効果が期待されるといえども、安全性も十分に証明されていないワクチンを接種してほしくない。何かあったらどうするのか? なぜ、元気な子どもにまで?と強い危機感を抱きます。
ワクチンで起こった副反応や亡くなられた方々のことをきちんと調べて、正確な情報として国民に周知するよう強く求めます。亡くなられた方々、ご家族の無念さを思うとたまらない気持ちになります。人の命をなんと心得ているのか、ワクチン接種に関する情勢やそのあり方には大いに疑問を感じています。
コロナ禍には当初から不自然さや疑問に思うことが多くあります。私には大きな力はありませんが、自分の思いや自分ができることを声にして周りに発信していけたらと思います。「小さな声」も取り上げてください。思いは一つ…一日も早いコロナ禍の収束です。