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2021.05.30 08:36

桜井つぐみ、強敵下し世界への切符つかむ レスリング全日本選抜選手権

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【女子55キロ級決勝】今井(日大)を攻める桜井つぐみ(育英大)=左 (駒沢体育館=日本レスリング協会提供)


 レスリングの世界選手権(10月・オスロ)代表選考会を兼ねた全日本選抜選手権第3日は29日、東京・駒沢体育館で行われ、女子55キロ級の桜井つぐみ(育英大=高知南高出)が初制覇して、代表権を獲得した。

 桜井は初戦の準決勝で嶋田英莉(育英大)にフォール勝ち。決勝では昨年の全日本選手権で3位の今井佑海(日大)と対戦した。第1ピリオド中盤、今井にバックを取られて2点を先取されたが、その直後に桜井も2点を奪って追い付き、2―2で折り返し。第2ピリオド残り1分で桜井がバックを取って、4―2として、そのまま逃げ切った。

 男子フリースタイル65キロ級は山口海輝(日体大)が初優勝し、代表切符。57キロ級は初制覇の阿部敏弥(国士舘大職)が代表に決まった。79キロ級は高橋夢大(日体大)が2連覇したが、プレーオフを制した昨年の全日本選手権覇者の吉田隆起(自衛隊)が代表入り。

 男子グレコローマンスタイル130キロ級は園田新(ALSOK)が7連覇、60キロ級は鈴木絢大(レスターホールディングス)が初優勝で代表入り。87キロ級は鶴田峻大(自衛隊)が2018年大会82キロ級以来2度目の頂点に立って代表となった。

 女子68キロ級は初制覇してプレーオフも勝った宮道りん(日体大)が代表入りした。

 東京五輪代表は出場していない。

ピンチで慌てず決勝点
 昨年末の全日本選手権に続いて優勝すれば、文句なしで世界選手権の出場切符が獲得できる大事な一戦。桜井は苦しみながらも、「『今回は絶対に勝つ』と思い戦った。勝負にもこだわった」。強い気持ちで貫禄勝ちし、頂点に立った。

 初戦は育英大の同僚にフォール勝ちし、迎えた決勝戦。相手は高校生時代にはインターハイを連覇し、ジュニアの世界選手権など、数々の国際大会も制している実力者の今井。昨年、53キロ級から階級を上げ、世界の舞台を目指している強敵だ。

 立ち上がりから、桜井の動きは良くなかった。十分な組み手に持ち込めず、足も動かない。第1ピリオドの中盤、片脚を取られると、苦しい体勢から後ろに回られ、先にポイントを奪われてしまう。それでも今の桜井は慌てない。直後、しっかり相手を上から崩すと、反撃のポイント。すぐに同点に追い付いた。

 勝負の第2ピリオド。前半と同じような、じりじりとした組み手争いが続く。再び、今井に左脚を取られ、ピンチに陥ったものの、懸命にこらえて、体を入れ替え、勝ち越しに成功。最後は相手の攻めをしっかり切って勝利した。

 試合後の桜井は「大事な試合で勝てたのはうれしい。でも、自分から攻め込むなど、練習していたことが出せなくて悔しい」と唇をかんだ。それでも、「簡単に点をやらない練習はしてきた。危ない試合だったけど、焦って負ける、とは思わなかった」と全日本王者らしく振り返った。

 これまでは「自分が世界選手権で戦っていることはあまり想像できなかった」という桜井。ただ、ジュニア時代から地道に築き上げた実力は本物だ。55キロ級は非五輪階級。パリ五輪は57キロ級で目指す予定だ。最大の目標に挑むため、まずはこのひのき舞台で結果を残すことが大事になる。「出るからには優勝する」。力強く宣言した。(吉川博之)

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