2014.09.05 08:20
子育ち支縁 第2部(5) プロフィルに校名学年
それから約7年。日進月歩のITの世界は常に変わり続けている。無料のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が次々と登場。スマートフォンの普及により、中高生の間にも広まった。
やりとりの方法も7年前とは少し変わってきている。
無料SNSの一つ、短文投稿サイト「ツイッター」も匿名での登録が可能だ。県内の中高生たちも多くがニックネーム、もしくは下の名前だけで使っている。
そうした名前なのにどうして県内の中高生と分かるか、というと―。プロフィルに住んでいる市町村や学校名、はては学年、クラス、部活動まで記載。顔写真をアップしている子も多く、容易に個人が特定できるからだ。
高知市の高校1年の女子生徒も、中学時代はそうしていた。
「周りのみんなも、やったきね。これ、見つけてほしいがって。同じ学校の子とか、別の学校へ行った小学校時代の同級生とかに」
彼女には、次のような体験があったという。
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校内のいろんなグループごとに、劇やったんですよ。その一つにチョイ役やけど出してもらって。
めっちゃチョイ役。やのに、反響すごくて。その日の夜、ツイッターでメッセージがガンガン来て。「カッコよかったです」とか。フォロワー(読者)もブワーって増えて。全員、「誰?」みたいな同級生らでしたけど。
名前だけ、平仮名で登録してて。あと自己紹介みたいなの書くところあるでしょ。そこに学校、学年、部活も打っちょった。それを検索して探してくれたみたいで。
チョー気持ちいい、ってこういうことですよ。見られた、気にされた、評価されたって思えて。
そもそも、ツイッターやりゆうクラスの子、部活の子の間で、口にはせんけどフォロワー数、競いよった気がする。だってフォロワー数って、みんなに見えるじゃないですか。その数が「自分の価値」に直結しちゅうって感じがしたなぁ。
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このように見つけてもらいフォロワーが増え―。「成績抜群で考え方もしっかりしている」と周りから評された彼女が、やがて、小さな液晶画面に吸い込まれていく。(編集委員・塚地和久)
《データ》
SNSを使ったことがある生徒は中16・2%、高30・7%。個人または友人と共同でホームページやブログなどを開設している生徒は中18・6%、高30・6%。(県教育委員会・県警の12年度調査)