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2021.08.27 08:00

【高知に重点措置】コロナ予防改めて徹底を

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 新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受け、本県にきょうから9月12日まで、まん延防止等重点措置が適用された。
 県は、ここ1週間で感染者数が突出して多い高知市に対象を限定し、飲食店に酒類を提供しないよう要請するなど対策を強化する。
 コロナ慣れや自粛疲れが指摘されるが、厳しい感染状況がもう一段階強い取り組みを求めているのは間違いない。私たち自身の命と健康を守るため、県民一人一人が感染防止対策を尽くす必要がある。
 感染力の強いデルタ株の広がりで県内では8月中旬以降、急速に感染が拡大している。県は対応ステージを最も上の「非常事態」に引き上げていた。高知、南国、香南の3市では、住民に不要不急の外出自粛、飲食店には営業時間の短縮などを求めてきた。
 しかし、新規感染者は25日に過去最多の111人となり、きのうも100人を超えた。感染状況はより厳しさを増していると言わざるを得ない。
 県は重点措置の適用申請も視野に入れ、飲食店の営業時間短縮による効果などを見極める方針だったが、政府が感染急増を踏まえ適用を決めたという。
 重点措置とはいえ、県独自の「非常事態」に追加される具体策は限られているのが実情だろう。大型商業施設に入場者数の管理を求めるほか、イベントは全県的に参加者の上限を5千人とする。
 高知市の飲食店に求められる酒類の提供停止は経営的な影響が否めない。既にコロナ禍で経営破綻に追い込まれた事業者もある。重点措置で協力金は増額されるが、円滑な対応が求められる。
 県民にとって、最大の懸念は医療提供体制だろう。首都圏では自宅療養中に容体が急変しても入院先が見つからない事例が多発。入院できなかった妊婦が早産して赤ちゃんが死亡したケースもあった。
 県内でも無症状者や軽症者らの一部は自宅療養の方針に切り替わり、入院・入所できない人が増えている。そうした患者にとって都市部の状況は人ごとではあるまい。支援態勢が重要さを増す。
 県と高知市は夜間や休日に緊急連絡を受け付ける相談センターを開設したが、一方で血中酸素濃度を測る機器(パルスオキシメーター)など態勢整備が後追いになっている面があるという。細やかな情報提供で不安の軽減を図るべきだろう。
 県内では現状、都市部ほど病床数は逼迫(ひっぱく)していないが、感染状況がさらに深刻化すれば医療提供に支障が出かねない。そうした事態を未然に回避するよう、対策を総動員して感染拡大を抑え込む必要がある。
 長引くコロナ禍で感染予防対策にストレスを感じる面はあるにせよ、自分自身を守る行為にほかならない。マスク着用や手洗い、「密」の回避など基本を改めて徹底したい。行政には状況に応じ、実効性のあるセーフティーネット(安全網)の構築が求められる。

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