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2021.07.20 08:41

生理の貧困、高知県内でも支援 フードバンクや子ども食堂「必需品」ひとり親家庭へ

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寄付された生理用品と食料などを、支援家庭に運ぶ準備をする子ども食堂関係者(高知市内)

寄付された生理用品と食料などを、支援家庭に運ぶ準備をする子ども食堂関係者(高知市内)

 経済的な理由で生理用品を十分に買えない女性への支援が、高知県内でも始まっている。フードバンクや子ども食堂が企業や個人からの寄付を生かし、ひとり親家庭や高校生らに提供。支援者らは「生活必需品なのに困っている人が少なくない。周りが気付きにくい問題に目を向けてほしい」と話している。

 県内のある高校では今年4月、フードバンク高知(高知市大川筋2丁目)に寄付で集まった生理用品を提供してもらった。女性教員が家庭状況などが気に掛かる生徒に個別に声を掛け、計20人ほどに手渡した。

 教員は「生徒の1人は『実はすごく困っちょった』と。ナプキンを買えず、トイレットペーパーで代用することもあったそうです」と振り返る。

 その生徒は接客のアルバイトもしているが、食費などの生活費を優先して生理用品は後回しに。トイレットペーパーでは下着が汚れるなど不十分で、不安を抱えながらバイト先や学校で過ごす日もあったという。

 教員は「声を掛けるまで、それほど困っていると気付かなかった。複雑な家庭環境の中、自分でどうにかするしかない状況に慣れて、誰にも相談できていない子はほかにもいると思う」。今後も生理用品の支援を継続する方針だ。

 同市内で弁当や食料の支援活動を行う「こども食堂こうち実行委員会」でも、タイヤ販売などを行うトサトーヨー(同市一宮南町1丁目)から毎月1回、生理用品の寄付を受け、必要な家庭への配布を続けている。

 温かい弁当と一緒に受け取ったシングルマザー(50)は、新型コロナウイルス禍で勤務先の飲食店が打撃を受け、転職した。「食費を切り詰めて生活しているが、生理用品は娘2人の分も含めて毎月3、4千円かかる。きついです」

 ほかの女性からも「不衛生だと思うけど交換回数を減らし、節約している」「生理痛が重いので痛み止めの薬も必要。毎月出費が痛い」などの切実な声が聞かれた。

 同委員会の秦泉寺あや代表は「食べ物だけでなく、生理用品などの生活必需品も我慢している人は多い。当事者が声を上げにくい問題なので、どうやって支援を行き届かせるかが課題」と話す。配布場所に来づらい人には自宅に届けるなど、個別対応に努めているという。

 現在、高知市では人権同和・男女共同参画課と、こうち男女共同参画センター「ソーレ」(同市旭町3丁目)の窓口で、困っている女性に生理用品を配布中。県も各市町村などを通して配布を始める準備をしている。(松田さやか)

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