2021.06.30 08:36

森林観測にドローン活用 日影補正、年間通しデータ 高知工科大の村井さん

ドローンの観測技術の研究を進めている村井亮介さん(香美市の高知工科大)
ドローンの観測技術の研究を進めている村井亮介さん(香美市の高知工科大)

 小型無人機ドローンを使って森林の植生を観測する技術の開発を、高知工科大学助手の村井亮介さん(39)=香美市=が進めている。ドローンの撮影画像に映り込む樹木の影を補正する技術を考案し、天候に左右されず年間を通してデータを取得することが可能に。森林環境の調査や果樹の生産管理に応用できる技術として注目されている。

 村井さんは同大大学院で学んだ後、NPO法人役員などを経て2019年から同大助手に。同市佐岡地区で、ドローンを使った写真測量の研究を続けている。

 ドローンを低空飛行させて森林や樹木の植生変化を観測する方法は、衛星や目視での観測に比べ、精密な画像を定期的に撮影できるのが特徴。一方で、天気や太陽の光の影響で樹木の影が画像に映り込む場合があり、補正を行う必要がある。

 地形が単純な平野部の観測時に影を補正する技術は確立されていたが、傾斜があり複雑な地形の森林には応用できず、村井さんが補正方法を研究していた。

 今回、村井さんが考案したのは、モノクロ画像でヒノキを基準にし、晴れと曇りの日で地形や空の見える割合などを条件別に組み合わせ、日影の影響を抑える技術。これにより、年間を通して天候に影響されず均一な画像データを取得することが可能になったという。

 村井さんは、この技術をまとめた論文で今年5月、日本写真測量学会の奨励賞を受賞。現在は、カラー画像の補正や、樹木を3D化して観測する技術の開発を進めており、技術を応用して樹木の開花・紅葉時期の変化といった森林環境や果樹の収穫量を詳細に知ることができるようになるという。

 村井さんは「今後も技術開発を進め、森林県の高知でドローンによる観測を普及させていきたい」と話している。(楠瀬慶太)

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