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2021.06.10 08:40

優先駐車証交付、2万人超 障害者や妊産婦助け10年 高知県

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高知県が交付する利用証。車いす使用者用(青色)とそれ以外(緑色)の2種類がある(高知市内)


 車いす使用者や妊産婦らに優先駐車場の利用証を発行する「こうちあったかパーキング制度」が導入されて10年がたつ。これまでに延べ2万人以上に交付され、対象者の移動を支えているが、対象外の人が優先駐車場を占有するマナー違反もなくなっておらず、適正利用に課題も残している。

 バリアフリー法などの基準に従い、大型量販店や公共施設などの出入り口近くには、移動に配慮が必要な人のための駐車区画が設けられている。車いすマークなどの目印が付いているが、一般の人が故意に止めても識別しづらく、外見上は障害が分からない人が利用をためらうなどの課題があった。

 そこで高知県は2011年に同制度を導入。身体・知的などの障害者、難病患者、産前7カ月~産後1年の妊産婦らに利用証を交付し、駐車時にルームミラーなどに掲示してもらうようにした。

 また優先駐車場のある施設にも協力を要請し、ステッカーの掲示やチラシの配布などで適正利用の普及啓発にも取り組んできた。

 利用証の新規交付は毎年2千件前後で推移し、21年3月末までに計2万666人分を交付。心臓や呼吸器などの内部障害7453件、妊産婦3065件、車いす2704件―などの内訳で、義足で生活する県身体障害者連合会の宮崎俊雄会長(69)は「(同制度で)安心して車を止められるようになり、利便性が向上しました」と話す。

 ただ、罰則はなく、モラルを前提にした制度の中、利用証を持たない人の駐車は今もよく見受けられるといい、「特に車いすを使う人が困っている」との声も。利用者らは「より多くの人に制度を理解してもらい、マナーを守ってほしい」と訴えている。

 同様の制度は四国4県を含む39府県が導入しており、どの地域の利用証も有効。制度の問い合わせは県障害福祉課(088・823・9633)へ。(松田さやか)

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