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2024.05.01 16:05

「SHOGUN 将軍」遊女役の向里祐香 インスタに海外から称賛相次ぐ 

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 向里祐香=東京都港区

 米ハリウッドが日本の戦国時代を描くドラマ「SHOGUN 将軍」の最終話となる第10話が配信された。真田広之が主演とプロデューサーを務め、世界的に高く評価される同作では日本の若手俳優も注目された。その一人、遊女の菊を演じた向里祐香はエンターテインメントの本場のスケールに圧倒されたという。


 ろうそくの明かりに鮮やかな赤い着物が浮かび上がる。笑みをたたえた菊が美しい所作で酒をつぎ、全てを見通すように柔らかくゆったりと語りかける。「女は女の苦しみを見過ごせぬもの…」


 この第6話が配信されると、向里のインスタグラムには彼女の演技を称賛する英語の書き込みが相次いだ。「侍と聞いて海外の方が想像するような派手な場面はないのに、面白いと言ってくれた。あの時代に生きる女性の強さも描かれて、そこが私もすてきだと思う」


 ビデオオーディションでつかんだビッグチャンス。数カ月かけ三味線や所作を学び、撮影でのカナダのバンクーバー滞在は約9カ月に。「短いスパンでどんどん撮影する日本もすごいけど、長い時間をかけて役に染まっていく本場のやり方には、やっぱり勝てない」


 現場には千人規模のスタッフがひしめく。気付いたことがあればすぐ話し合いの場が設けられ「コミュニケーションの密度が違いました」。


 性描写も多い遊女役だけに、俳優と制作陣の調整に当たるインティマシーコーディネーターとのやりとりも密接。シーンごとに相手役も交えてどこまで触れるのか、どこに触れてほしくないのかを決め、そのつど文書にサインする。撮影中は映像を確認するモニターの数を制限するなどの対応も。「俳優を守るためだけじゃなくて、ほかのスタッフも嫌な思いをしないよう配慮されていた」


 芸能界に入ったのは約10年前。大学受験に失敗し「3浪」していた頃のこと。2022年の「愛なのに」、23年の「福田村事件」と出演映画が評価され、チャンスが広がる。「将軍」は米テレビ界の最高峰、エミー賞の受賞も期待される。「どんな役でも、シーンでも、手を抜かずに最大限できるパフォーマンスをすれば、誰かが見ている」


(取材・文=森原龍介 写真=伊東祐太)

(c)KYODONEWS

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