2024.04.12 08:45
4コマ連載1.4万回目前 漫画家・コジローさん(高知県いの町出身)―時代の旅人 あの人に聞く(1)
高知県出身者やゆかりの人のインタビューシリーズを始めます。毎月第2、第4金曜日に掲載します。お会いしたいあの人。証言を聞いておきたいあの方。時代を駆け抜け、歩んできた方の元へおたずねします。
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漫画家デビュー45年となるコジローさん(東京都大田区の仕事場=写真はいずれも井坂英彰撮影)
漫画家のコジロー=本名・北代浩二郎=さん(70)は、1984年10月11日からスポーツニッポン(スポニチ)の4コマ漫画「いも虫ランド」を連載中だ。ただいま1万4千回目前。プロ野球の日々の試合やニュースをネタに「ばかばかしい4コマ」の世界を織り上げてきた。
一般全国紙、スポーツ紙の4コマ漫画としては植田まさしさんが読売新聞で連載中の「コボちゃん」の1万4650回(12日時点、終了した連載も含む)に次ぐ長寿連載となる。
「ヒーコラ言いながらやってきましたよ。ネタが全くでないときは、時間はたつし、かっかくるし」
一般紙と違ってスポーツ紙は、宅配のない休刊日にもコンビニエンスストアや駅売店での販売があり、コジローさんはこの40年、入院手術で3週間休んだ11年前の病欠と、元日の年1回をのぞいて、1日も休んでいない。最新ニュースを練り込んで、毎日ぎりぎりまで思考を巡らせる。
「夜の10時すぎたこともありますね。かき終わってから『漫画は格闘技だー』って、よく言ってました。誰もいない部屋で」
プロ野球の話題を映してきた。連載が始まって1年後、1985年10月17日の「いも虫ランド」は、プロ野球史を飾る歴史的な一作だ。21年ぶりに起きた「事件」を、当時の社会の空気感を捉えて描いている。
39年前、それほどの「衝撃」であった出来事(1985年10月17日のスポーツニッポン紙面から)
試合結果や記録、日々のドラマを選手や監督のへんちくりんな会話や場面に変幻させて描く。時には「スレスレ」の切り口で。昔も今もそれがコジロー流。
旧伊野町の出身。近所の書店で本の配達のアルバイトをして買った手塚治虫、石ノ森章太郎の漫画を読みふける漫画少年だった。
地元小中学校から高知西高に進み、…