2024.04.09 08:30
本気で子ども褒めてますか 松岡修造さんが子育てを語る―ココハレ ピックアップ
ココハレの独占インタビューに応じた松岡修造さん(高知市北川添のUプロジェクト)
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スポーツキャスター、解説者としておなじみの松岡さん。3月に高知市内で開かれた「ノーバリアゲームズ ~♯みんなちがってみんないい~」でMCを務めました。「ノーバリアゲームズ」はWOWOWのドキュメンタリーから生まれたユニバーサルスポーツイベント。性別や年齢、障害の有無などを問わずにスポーツを楽しむ参加者を「できる!」と盛り上げました。
松岡さんにとって、高知の印象は「やっぱり坂本龍馬さん」。テニスの現役時代、海外での孤独な生活を支えたのが「竜馬がゆく」でした。
「日本人は僕1人で、対話できるのは本しかなかった。『竜馬がゆく』を読んで、龍馬さんの思いやチャレンジが僕の中に注入されたんだろうなと思います」
来高前日までジュニア強化選手の合宿に参加。育成から子育ての話へと、インタビューは進みました。選手への関わり方を尋ねると、「何か相談されても、僕は質問しかしません」。
「言われたことを紙にずっと書いていき、一つ一つ、WHY(なぜ)を投げ掛けます。子どもは最終的には、自分で答えを持っている。自分で出した答えなら行動しやすいし、自分の力として動けますから」
「大人がすぐに答えを出すと、自分で決断できない人、大事な時に動けない人になってしまうのでは」
最近の子育てのキーワードの一つが「褒めて育てる」。松岡さんは「子どもを本気で褒めてる?」と大人たちに問い掛けました。
「褒めるのはすごく大事。でも、子どもに本気で大事なことを伝えると、時に厳しくなる。僕にとっては『君は成長できるんだ』と褒めてる感覚にも近い」
「おだてたり、『良かったね』では人は変わらない。すごく厳しくて、壁にぶち当たって、殻を破っていく瞬間に人は変わるんです。褒めることと、本気の情熱のある伝え方があれば、子どもたちは分かってくれる。もっと欲しているかもしれません」
高知で子育て中のお父さん、お母さんに「皆さん、頑張ってる」と笑顔でメッセージを寄せた松岡さん。「子どもの安全地帯を広げるのが親の役割かな。『危険だから』と先回りして道をつくらないで、子どもが好きなことを支えてほしい」と語りました。 (門田朋三)
松岡さんのインタビューはココハレで紹介しています。