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2024.04.08 08:00

小社会 統合効果の好例

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 高知市街地で暮らしていて、ふと旬を感じたくなった時、大型直販所「とさのさと」に寄る。他店も生鮮品を扱うが、やはりここには産直特有の「土のにおい」のようなものがある。

 この土日は開業5周年祭をやっていた。タケノコ、イタドリ、新タマネギ…と「春」が並ぶ。売り場面積と出品数は全国屈指。今回もまた、ほかにあれこれと手が伸びてしまった。

 筆者のような消費行動もきっと業績に反映されたことだろう。年商が5年目で20億円を超えて目標達成、と先日の本紙にあった。もちろん陰には経営努力がある。集出荷の工夫や、周りの施設との相乗効果。そもそも大型直販は「JA高知県」への統合の目玉として浮上し、スケールメリットの発揮へ戦略を練り上げた。間違いなく統合効果の好例だと言える。

 かたや、母体のJA高知県はどうか。一時期続いた不祥事が収まった感があるのは結構な話だが、取り巻く状況自体は厳しさを増す。

 農家数や金融事業の先細りに、JA側は効率化を進めざるを得ない。高知に限らない。全国のJAの数はこの20年間で半減し、お隣の徳島や宮崎県でも4月、ついに高知のような県域JAが発足した。

 「経営基盤を強化してサービスを維持・向上する」。これは、合併推進の常とう句。だが、そうはならないことも多いのが現実だろう。それを考えると、「とさのさと」の好例はおいしいだけでなく、苦さもまじる。

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