「長い間、ありがとうございました」。閉校式で声をそろえる精華小の児童たち(津野町の精華小)
児童数の減少で歴史を閉じる県内の津野町大野の精華小学校と四万十町興津の興津小、土佐清水市下ノ加江の下ノ加江小で23日、休・閉校式が行われ、児童や住民らが思い出のつまった学びやに別れを告げました。 「絆」の文字が刻まれた閉校記念碑の前に立つ興津小学校の児童たち(四万十町の興津小)
創立150年で4月から葉山小学校と統合する津野町の精華小(大野和代校長)の閉校式では、卒業生や地域の人ら約300人が集いました。4人で息を合わせ、力強い太鼓演奏を披露する下ノ加江小学校の子どもたち(土佐清水市の下ノ加江小)
1874年に寺子屋として始まった精華小は14年前に白石小を統合。2023年度は42人が学び、これまでに5346人が巣立ちました。 式典では6年生8人が白石太鼓を力強く披露。集まった全員で体育館に最後の校歌をひびかせました。6年の高橋奏さんと全校児童が「精華小、長い間ありがとうございました」と声をそろえると、なみだぐむ人もいました。 四万十町の東又小学校に統合される興津小の閉校式には、地域住民ら約160人が参加。卒業生2人をふくむ、最後の児童18人を送り出しました。 興津小の源流は1874年創立の「修道学舎」。記録が残る1891年度以降の133年間で、4932人が巣立ちました。 2005年度からは地域に根ざした防災教育に取り組み、「1・17防災未来賞『ぼうさい甲子園』」で2度、大賞にかがやきました。 式では、坂本益英校長が「ここで学んだことをほこりとして、かけがえのない思い出ときずなを大切にしてほしい」とあいさつしました。 卒業生の津野梨々さん(12)は「海で遊んだりウミガメにふれたりして楽しかった。海は津波など危険ももたらすけれど、防災学習で得た知識は今後どこに行っても役に立つと思います」と話していました。 清水小学校に統合される下ノ加江小学校(東淳一校長)の休校式では、最後の在校生や卒業生ら約200人が出席し、150年続いた母校との別れをおしみました。 下ノ加江小は1873年、下茅北小として開校。確認できるだけでこれまでに5800人以上の卒業生を送り出しました。 式では3~5年生4人が校歌などを合唱。手作りの衣装を着てしばてん踊りを披露すると、会場はにこやかな雰囲気に包まれました。練習を重ねた太鼓も力強くたたき、盛大な拍手が送られました。 5年の松岡龍芯朗さん(11)は「歌う時、泣かないようにがまんした。この4人で思い出をつくれて良かった」。父親で下ノ加江小OBの修一朗さん(41)はあいさつで「歴史の数だけ人がいて、築いてきたものがある。休校は残念でさみしいが、ここでの思い出を胸に地域でがんばっていきたい」と話していました。