2024.03.22 08:00
小社会 卒業の皆さんに
今春の卒業生の大半はコロナ禍が始まった2020年に入学した。学生生活は入学式も対面授業もほとんどない異例のかたちでスタート。勉学はもちろん、友人づくりや部活動も思うように進まなかったに違いない。
もっとも、それが人との交流や学びの大切さを痛感する機会になった面はあるだろう。高知県立大学の卒業式で卒業生代表が「コロナ禍だからこそ生まれた強い友情」に言及。学びも経験も「かけがえのない財産」だと振り返った。
コロナ禍だけではない。ウクライナや中東ガザで紛争が起きた。地球温暖化も一段と深刻化。国内では災害が相次ぎ、人口減少も話題になり続けた。学生は多くの問題意識を持った4年間ではなかっただろうか。高知工科大学の式では学長がこの先も学び続けるよう求め、「社会問題の解決に向けて行動を起こしてほしい」と呼び掛けていた。
天才物理学者アインシュタインも言い残している。「学べば学ぶほど自分がどれだけ無知であるか思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」。
卒業生の皆さんのこれからの活躍とたゆみない学びを心から祈りたい。そしていつか大学や社会で学び続けたことを高知に還元する機会をつくってくれれば。