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2024.03.19 08:00

小社会 スピーチ

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  岸田文雄首相の政権運営について森喜朗元首相に聞く記事が昨年の夏、本紙に載った。いま読み直しても、その発言につい笑ってしまう。

 2人は早稲田大学の出身。少し前に母校で岸田氏の講演を聞いたという森氏が「大観衆の割に学生から拍手が湧かなかった」と内容を駄目出しして、こう助言した。「もう少しスピーチに気を付ければ人気が高まる」

 後輩への愛情だったのだろう。ただ、二十数年前、自民党議員の不祥事に加え、「日本は天皇を中心にした神の国」などの問題発言が相次いだ。内閣支持率は1桁台に沈み、就任1年余りで退陣を余儀なくされたのは、ご自身だったのでは。政界引退後も不用意な発言癖が目立った。

 その森氏が退陣に際し、実績として誇ったのが日ロ首脳会談だった。このほど通算5選を確実にしたプーチン大統領が初当選したのは森氏の首相就任と同じ2000年。それもあってか、2人は森氏の短い在任期間中にも互いの国を訪問し合い、その後も親交が続いた。ならば巧みなスピーチでプーチン氏を諭してみては。戦争をすぐやめるように。

 森氏に求められる大きな役目がいま国内にもある。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件に自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件。いずれも森氏の名前が出てくる。

 こちらも自慢のスピーチで国民に真相を語ってほしい。いや語るべきだろう。真相の「爆弾発言」なら歓迎する。

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