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2024.03.18 07:00

廃棄の綿くず、封筒に再生 今治タオルの染色組合開発

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 綿くず(左)を原料に使った封筒を手にする愛媛県繊維染色工業組合の平塚竜二営業部長=1月、愛媛県今治市

 愛媛県今治市の特産品今治タオルで、染色加工を手がける企業でつくる県繊維染色工業組合が、製造過程で出た綿くずを原料に使い封筒を開発した。廃棄物の有効活用を模索した組合が、高知県の製紙会社などと連携。組合の平塚竜二営業部長(56)は「地場産業から生まれたリサイクル品を広めたい」と意気込む。(共同通信=松田大樹)


 染色を手がける組合傘下の企業は7社。綿くずは糸を釜に入れて染料を染み込ませたり、乾燥させたりする際に発生する。組合によると各社の1日当たりの排出量は10~20キロに上るという。


 廃棄には費用がかかるため、5年ほど前から再利用できないか本格的に検討を開始。高知県立紙産業技術センターの協力を得て、綿くずを解きほぐしてできる和紙が商品化の候補に浮上した。


 「綿くずを原料に紙を製造するのは高い技術が求められる」と平塚さん。技術センターとともに和紙作りを担う会社を探す中、機械すき和紙製造などを手がける森製紙(高知県日高村)が快諾した。


 同社の森勇人専務(54)は「一口に綿くずと言ってもふわふわだったり、どろっとしていたり質感はさまざま」と話す。どのように配合すれば強度や耐久性が高まるか試作し、センターで分析を重ねた。


 昨年11月に完成した和紙は商品化できる水準に達し、封筒として販売を開始。色とりどりの綿くずからできており、一つずつ違った色合いが楽しめる。


 当面は法人向けの販売が中心。平塚さんは「学校などで使ってもらい、子どもたちにリサイクルへの関心を高めてほしい」と、封筒以外の紙製品のアイデアを募ることも検討している。

(c)KYODONEWS

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