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2024.03.10 08:00

小社会 手探りコンビ

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 漫画家になる前の鳥山明さんは映画と絵が好きで、漫画はあまり読まなかった。かたや、少年漫画はがさつだと思っていた編集者の鳥嶋和彦さん。そんな両者が二人三脚で大ヒット作を生み出すのだから、世の中は分からない。

 広告会社を辞めた鳥山さんは、金がなかった。ろくに描いたことがないのに、少年漫画誌の新人賞に応募。あか抜けた画風が鳥嶋さんの目にとまる。鳥山さんは「ふたりの共通点は名前が似ていることと、これまでにないような新しいマンガをつくりたい!ってことだった」(鳥嶋さん著「Dr.マシリト最強漫画術」)。

 「Dr.スランプ」は当初、発明家の則巻(のりまき)千兵衛が主人公だった。アラレちゃんは発明品の一つで、登場は1回きりの予定。だが、鳥嶋さんはかわいくて面白いロボット少女が気になる。「この女の子を主人公にしろ」

 「ドラゴンボール」も最初は冒険物語だったが、人気が伸び悩む。2人で対話し、主人公の孫悟空が最強への道を歩む格闘アクションに。いまや累計発行部数は2億6千万部を超える。

 「MANGA」は世界共通の言語といわれて久しい。アニメとともに国境を超えるコンテンツにした一人、鳥山さんの訃報が届いた。海外からも惜別の声が相次ぐ。中国では「ドラゴンボールを使って生き返ってほしい」。

 鳥山さんは、鳥嶋さんとの関係を「手探りコンビ」と書いた。生み出された「財産」を大事にしたい。

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