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2024.03.05 08:00

小社会 虫の春

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 やはり記録的な暖かさだったようだ。気象庁によると、先月の高知市の月平均気温は平年より2・7度も高い10・5度。2月としては観測史上最も高かったという。道理でハチやテントウムシなどを見かけたはずだ。

 それが3月に入り一転、真冬の寒さに逆戻り。きょうは二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。冬ごもりの虫たちが陽気に誘われ、動き出すころとされるが、慌てて寝床に戻った虫もいるのでは。

 春を告げる虫は歓迎するが、古い言い伝えには告げ口をするやっかいな「虫」もいる。中国の道教が説く3匹の虫「三尸(さんし)」。人の体の中にすみ、「隠している過失をも知り、庚申(こうしん)の夜に人の睡眠中に天に昇り、その罪悪を告げる」(広辞苑)とか。

 要するに宿主を常に監視し、悪さをすれば天に密告するというわけだ。「虫の居所が悪い」「虫が好かない」といった慣用句も、この虫から派生したらしい。

 ただし宿主を戒める存在にもなるから、考えようによっては頼もしい。この春はある人たちの虫に気合を入れたい。きのうも触れた自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件。多くの国民が納得できず、「そんな虫がいい話があるか」「腹の虫が治まらない」と憤る。

 センセイ方に宿る虫は監視がぬるくないか。まさか、まだぬくぬくと冬ごもり中? このままではまずいよという「虫の知らせ」は送っているだろうか。ずぶとい宿主に対し「弱虫」では困る。

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