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2024.03.03 08:40

発達障害、子育て連携を 高知県仁淀川町で保護者会発足「孤立防ぐ」

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「悩みを仲間で共有することで気持ちが前向きになるはず」と話す保護者会の女性2人。写真手前に写るのは音が苦手な息子が着ける耳当て(仁淀川町内)

「悩みを仲間で共有することで気持ちが前向きになるはず」と話す保護者会の女性2人。写真手前に写るのは音が苦手な息子が着ける耳当て(仁淀川町内)

 高知県仁淀川町で発達障害の息子を育てるいずれも40代の女性2人が保護者会を発足させた。町内で交流会などを開き、子育てに悩む他の家庭とも連携したい考え。2人は「療育施設がない山間部で、支援を受けられる環境をつくりたい。地域での孤立を防ぐことにもつながる」と話している。

 「甘やかしすぎじゃない?」

 女性の一人は、数年前に投げかけられた言葉が忘れられない。息子は軽度の発達障害で小学校入学時、通学路に慣れさせようと1カ月間、一緒に登校した。同時に近所の家や店を一軒一軒回り、障害について説明。パニックになった時などに備えて連絡先を教えた。その際、この言葉を言われた。「しんどくて涙が出た。今でもその光景ははっきり覚えている」

 もう一人の女性は、小学校入学前の健康診断で息子の障害を知った。息子は時計の絵を一日中描き、花火など日常では耳にしない音が苦手。医師の診断を聞き「いざ告げられるとショックで泣いた」と振り返る。

 5年ほど前、保育関係者の勧めで2人が参加したのが自閉症児の家族らを支援する「TOMOはうす」(いの町)が催した研修会。研修で子どもへの接し方や障害について学んだ。仲間との交流も大きな支えになった。

 狭い地域で、人知れず子育ての悩みを抱えている人がいるかもしれない―。2人は、そんな考えから昨年12月に保護者会を立ち上げた。

 直前に仁淀川町内で交流会を初めて開催。子育て中の約10人が参加し育児の悩みや楽しさを語り合った。交流会を通じて、発達障害がある子を育てる他の保護者とも知り合えたという。

 保護者会は3月7日午後1時から、町交流センターで2回目の交流会を開く(参加無料)。「子育てに悩む保護者に『一人じゃない』と伝えたい。話を聞くだけでもいいので気軽に来てほしい」と呼びかけている。(乙井康弘)

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