豊漁豊作願い「潮ばかり」　須崎市野見

2024.02.28 05:00

豊漁豊作願い「潮ばかり」　須崎市野見

高知新聞社

たき火に照らされ、高く立ち上がった竹。若者が冷たい海の中でしっかりと支えた（須崎市野見）

　海(うみ)の中(なか)に大(おお)きな竹(たけ)を立(た)てて豊漁(ほうりょう)と豊作(ほうさく)を祈願(きがん)する須崎(すさき)市(し)野(の)見(み)の奇祭(きさい)「潮(しお)ばかり」が２３日夜(にちよる)、野(の)見(み)漁港(ぎょこう)周辺(しゅうへん)で行(おこな)われました。

　国(くに)と県(けん)の無形(むけい)文化財(ぶんかざい)で、旧暦(きゅうれき)１月(がつ)１４日夜(かよる)の干潮(かんちょう)に合(あ)わせて毎年(まいとし)行(おこな)われています。竹(たけ)が沖(おき)側(がわ)に倒(たお)れると豊漁(ほうりょう)、陸側(りくがわ)だと豊作(ほうさく)になるといいます。

　神事(しんじ)を終(お)えた午後(ごご)１０時半(じはん)過(す)ぎ、８人(にん)の若者(わかもの)が色(いろ)とりどりの短冊(たんざく)でかざった約(やく)１７メートルの竹(たけ)を担(かつ)ぎました。２人(ふたり)が根(ね)っこに重(おも)しとして座(すわ)り、かじを取(と)って練(ね)り歩(ある)きました。

　とちゅうで竹(たけ)を垂直(すいちょく)に持(も)ち上(あ)げ、古老(ころう)の木(き)やり歌(うた)に合(あ)わせてどんっ、どんっと根元(ねもと)を地面(じめん)に打(う)ち付(つ)ける「地(じ)搗(つ)き」を披露(ひろう)。「エイヤエイヤー！」と激(はげ)しく竹(たけ)をゆらすと、家内(かない)安全(あんぜん)の御(ご)利益(りやく)がある短冊(たんざく)が舞(ま)い、子(こ)どもたちが追(お)いかけました。

　火(か)がたかれた公園(こうえん)の岸壁(がんぺき)にたどり着(つ)くと、若者(わかもの)は勢(いきお)いよく海(うみ)の中(なか)にざぶん。潮(しお)が引(ひ)いた午前(ごぜん)０時過(じす)ぎ、海中(かいちゅう)のくいに大竹(おおたけ)が立(た)ち上(あ)がると、公園(こうえん)やいそから見守(みまも)った人(ひと)たちから拍手(はくしゅ)と歓声(かんせい)が上(あ)がりました。

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