2024.02.20 08:00
小社会 ロケットの道
先週末、高知からもそのロケットロードが見えたようだ。種子島から打ち上げられた国産新型ロケット「H3」2号機。昨年3月の初号機の失敗を乗り越え、悲願の成功を収めた。
打ち上げの様子を中継映像で見ていて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者らが手を取り合って歓喜する姿が感動的だった。昨年の失敗を教訓に、各方面の技術者がより連携を強め、満を持して再び宇宙に送り出した。
機体を造った三菱重工業の技術者も感慨ひとしおではなかったか。愛知県内のロケット工場を見学したことがある。敷地内には訓練所もあって、熟練者が若手を熱心に指導していたのを覚えている。ハイテクのロケットも結局はものづくりの技術があってこそだ。
完成した機体は「分割状態で種子島まで船で運び、そこで組み立てる」と教わった。運搬や打ち上げには島の人々の協力も必要だろう。多くの人が横につながり、機体も海上を大移動してようやくロケットは垂直になる。
打ち上げ成功に関係者は「肩の荷が下りた」とするが、宇宙ビジネスにつなげるには一層の低コスト化が求められるという。力強いロケットロードには、引き続き地上で横展開の支えが欠かせないようだ。