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2024.02.17 08:00

小社会 ジン人気

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 県内ではまれな木のようだが、瀬戸内側でよく見かける針葉樹にネズミサシ(ネズ)がある。香川県三豊市の古木「二宮のネズ」には、土佐・長宗我部氏の焼き打ちで残った1本との伝説が残る。

 海外にも分布し、その実をアルコールに浸して蒸留した洋酒がジンだと教わった。くせが少なく、飲みやすいお酒だが、若干、松やにっぽいにおいを感じる時がある。その正体がネズの実なのだろう。

 ジン人気が国内で急上昇しているという。国内出荷量が5年で4倍近くになり、メーカーが生産を強化していると、きのうの本紙が伝えている。「ソーダで割って食事に合わせるのが人気で、身近なお酒になりつつある」のだとか。

 かつてはバーで注文するお酒の印象が強かった。それが、飲食店で酒類の提供が制限されたコロナ流行下でも伸び続けたのだから興味深い。洋酒や焼酎のソーダ割りブーム、家飲みの拡大が後押ししたのだろうか。

 キリンホールディングスのサイトによると、ジンは17世紀、オランダの医師が開発し、薬局で売り出したのが始まりという。利尿や解熱の作用があるネズの実を使うことで、「マラリアやチフスといった熱病の治療薬として期待されていた」。

 コロナの流行を経て、元は熱病の薬ジンが広まる。偶然でも不思議な気がする。ただし飲み過ぎは禁物。歴史からも適度な量で親しみ、「酒は百薬の長」を実践したいお酒である。

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