夏鳥コマドリが越冬？　四万十市で確認

2024.02.19 05:00

夏鳥コマドリが越冬？　四万十市で確認

高知新聞社

四万十市勝間の山中で発見されたコマドリ（有田伊織さん提供）

　春(はる)に飛来(ひらい)し夏場(なつば)を日本(にほん)で過(す)ごす夏鳥(なつどり)のコマドリ１羽(わ)が、四万十(しまんと)市(し)勝間(かつま)の山中(さんちゅう)にいるのが見(み)つかりました。いつもは、冬(ふゆ)は中国(ちゅうごく)南部(なんぶ)など暖(あたた)かい場所(ばしょ)で冬(ふゆ)を越(こ)します。日本(にほん)野鳥(やちょう)の会(かい)高知(こうち)支部(しぶ)は「冬場(ふゆば)に見(み)られるのは大変(たいへん)めずらしい」としています。

　コマドリは頭部(とうぶ)がオレンジ色(いろ)の毛(け)におおわれた全長(ぜんちょう)約(やく)１４センチメートルの鳥(とり)。繁殖(はんしょく)の時期(じき)には「ヒンカララ」というさえずりをひびかせます。

　見(み)つかったのは１月(がつ)２５日(にち)正午(しょうご)ごろ。宿毛(すくも)市(し)山(やま)奈(な)町(ちょう)芳(よし)奈(な)の会社員(かいしゃいん)、有田()伊織()さん（４４）が前日(ぜんじつ)にふった雪(ゆき)の写真(しゃしん)を撮(と)ろうと、勝間(かつま)沈下(ちんか)橋(ばし)から約(やく)１０キロメートル入(はい)った勝間(かつま)川(がわ)上流(じょうりゅう)の滝(たき)の近(ちか)くでカメラを構(かま)えると「オレンジ色(いろ)の鳥(とり)が見(み)えた」。１時間(じかん)ほど、水辺(みずべ)に現(あらわ)れたりかくれたりするコマドリを撮影(さつえい)したそうです。

　日本(にほん)野鳥(やちょう)の会(かい)によると、「コマドリでまちがいない。近年(きんねん)は高知(こうち)県(けん)と同(おな)じ緯度(いど)の伊豆(いず)諸島(しょとう)でも越冬(えっとう)しているので、越冬(えっとう)の可能(かのう)性(せい)も考(かんが)えられる」。日本(にほん)野鳥(やちょう)の会(かい)高知(こうち)支部(しぶ)は「過去(かこ)に高知(こうち)で越冬(えっとう)した事例(じれい)はない。冬(ふゆ)のコマドリは大変(たいへん)めずらしい」とおどろいています。

　有田()さんはヤイロチョウの撮影(さつえい)にも成功(せいこう)した写真(しゃしん)愛好家(あいこうか)で「雪(ゆき)の写真(しゃしん)とはちがうけど、めずらしいものが撮(と)れて満足(まんぞく)」と喜(よろこ)んでいました。

　高知(こうち)地方(ちほう)気象台(きしょうだい)によると、四万十(しまんと)市(し)中村(なかむら)の今年(ことし)１月(がつ)の平均(へいきん)気温(きおん)は７．２度(ど)。いつもの年(とし)の５．９度(ど)を上回(うわまわ)る暖(あたた)かさでした。

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