「まさ夢いちじく」

2024.02.16 05:00

「まさ夢いちじく」

高知新聞社

どこから　どこまでが　夢(ゆめ)なのか
　みなさんは初夢(はつゆめ)をもう見(み)ましたか？　夢(ゆめ)は不思議(ふしぎ)な世界(せかい)です。不思議(ふしぎ)だから大人(おとな)も注目(ちゅうもく)して、夢(ゆめ)の内容(ないよう)から心(こころ)のことをわかろうとする学問(がくもん)もありますし、夢(ゆめ)を見(み)る仕組(しく)みを研究(けんきゅう)する人(ひと)たちもいます。この本(ほん)は、見(み)た夢(ゆめ)が現実(げんじつ)になる‘いちじく’を手(て)にした男(おとこ)のお話(はなし)です。

　歯医者(はいしゃ)のビボットは神経質(しんけいしつ)でおそろしくやかましや。飼(か)い犬(いぬ)のマルセルにもきつくあたってばかり。

　そんな彼(かれ)が、ある日(ひ)‘まさ夢(ゆめ)いちじく’を２つ手(て)に入(い)れます。１つめを食(た)べて、その力(ちから)が本物(ほんもの)だと知(し)ったビボットは、見(み)たい夢(ゆめ)を見(み)られるよう訓練(くんれん)します。残(のこ)りひとつのいちじくは、けっして無駄(むだ)にはできない。「今夜(こんや)が本番(ほんばん)だ」―

　奇妙(きみょう)なストーリー、ハッと息(いき)をのむ結末(けつまつ)。このドキドキをこれから体験(たいけん)する読者(どくしゃ)が、うらやましく思(おも)えるほどです。（ＮＰＯ法人(ほうじん)高知(こうち)こどもの図書館(としょかん)　堀内()佳子()）

「まさ夢いちじく」　C.V.オールズバーグ／絵と文　　村上春樹／訳　河出書房新社　小学校中学年以上

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