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2024.02.02 17:27

伝統の魚しょう、存続危機に 能登の製造最大手が被災で休業

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 石川県能登町で魚しょう「いしる」を作る「ヤマサ商事」の社長。地震で貯蔵タンクが崩れた=1月26日

 能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県・奥能登地域の特産品で、製造技術が国の登録無形民俗文化財となっている魚しょう「いしる」が、存続の危機に直面している。イカやイワシを2月ごろから1年余り塩漬けして作るが、設備が損傷した最大手の製造元は年内の休業を決めた。地元生産者協議会によると、家族経営で高齢の業者が多く、今年の仕込みのめどが立っている業者はいないという。


 「もう何から手をつけて良いのか…」。県全体の製造量の約7割を占める、能登町の「ヤマサ商事」の社長(50)は地震の揺れで崩れた貯蔵タンクを見つめ、ため息をつく。倉庫内は、こぼれた材料の強烈な発酵臭が充満していた。


 いしるは秋田県の「しょっつる」、香川県の「いかなごしょうゆ」と並ぶ日本三大魚しょうの一つとして知られる。


 地震が相次ぐ中、片付けに取りかかったが、200以上あるタンクの約半数が損傷。イワシが漁期を迎える2月は仕込みの最盛期だが、製造体制を整えるのは難しいと判断し、全面休業を決めた。被害額は約6千万円に上るという。

(c)KYODONEWS

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