いの町吾北地域で伝統のコウゾ蒸し

2024.01.31 05:00

いの町吾北地域で伝統のコウゾ蒸し

高知新聞社

蒸し上がったコウゾを取り出す住民ら（いの町上八川丙）

　いの町(ちょう)吾北(ごほく)地域(ちいき)で、土佐(とさ)和紙(わし)の原料(げんりょう)となるコウゾの加工(かこう)が行(おこな)われています。きゅんと冷(ひ)えこんだ山里(やまざと)にもくもくと湯気(ゆげ)がわき立(た)ち、皮(かわ)はぎなどにいそしむ住民(じゅうみん)の笑顔(えがお)が広(ひろ)がっています。

　高知(こうち)県(けん)はかつて全国一(ぜんこくいち)のコウゾ産地(さんち)でしたが、和紙(わし)の需要(じゅよう)が減(へ)ったり高齢(こうれい)化(か)が進(すす)んだりして生産(せいさん)量(りょう)が減少(げんしょう)。吾北(ごほく)の住民(じゅうみん)グループ「上東(じょうとう)を愛(あい)する会(かい)」が、手(て)すき職人(しょくにん)の要望(ようぼう)などを受(う)け、１５年(ねん)ほど前(まえ)から生産(せいさん)加工(かこう)を続(つづ)けています。

　２７日(にち)はメンバー約(やく)１０人(にん)がいの町(ちょう)上八川(かみやかわ)丙(へい)の会員(かいいん)宅(たく)に集合(しゅうごう)。前日(ぜんじつ)までに収穫(しゅうかく)した１．６トンを約(やく)２００キログラムのたばに分(わ)け、かまどの上(うえ)に立(た)てて「こしき」と呼(よ)ばれる、高(たか)さ約(やく)２メートルの木(き)おけをかぶせました。２時間半(じかんはん)ほどで蒸(む)し上(あ)がったコウゾを手分(てわ)けし、１本(ぽん)ずつはいだ皮(かわ)を天日(てんぴ)干(ぼ)ししました。

　筒井()茂()位()会長(かいちょう)（６９）は「長(なが)く続(つづ)く伝統(でんとう)やき、やっぱり続(つづ)けないかんと思(おも)う。今後(こんご)は若者(わかもの)に参加(さんか)してもらっての継承(けいしょう)も考(かんが)えんといかん」と話(はな)しました。

　１週間(しゅうかん)ほど干(ほ)した皮(かわ)は、そいで白(しろ)いせんいだけを取(と)り出(だ)すなどし、町内(ちょうない)の和紙(わし)職人(しょくにん)らに出荷(しゅっか)します。

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