2024年 05月04日(土)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

2024.01.30 08:00

小社会 秘密のトップ会議

SHARE

 保守県政と革新市政。県庁と高知市役所には昭和のイデオロギー対立の歴史がある。いわゆる「お堀の溝」である。ただ、中内力さんと横山龍雄さん、当時のトップ2人には、政党やマスコミが騒ぎすぎだとの思いもあったようだ。そこで実現したのが1979年のトップ会談。わだかまりはないことを示す「セレモニーのようなもの」だったと中内さんの自伝にある。

 県市トップ会議は以降も、この「溝」が一つの前提になってきた。関係が良い時はそれを強調する場に、そうでない時もそれなりに連携していることを示す場に。政治セレモニー的な色を帯びてきたといってよい。

 浜田省司知事と桑名龍吾市長はそんな経緯を知っていたのだろうか。先日のトップ会議を非公開にした。

 理由は「予算編成や人事の過程を全て公開できない」。いやいや、トップ会議は骨太の方向感を確かめる場だろう。小難しい話は事務レベルで詰めるか、あるいは、両人ですり合わせておくか。選挙協力した2人である。いつでも話はできるだろうに。

 今まで公開していたものを伏せたのも印象が悪い。人事は確かに慎重な扱いが要るが、透明性の確保は行政のイロハだ。2人の公式の会談は実質初めてだった。「晴れの場」を自ら隠してどうする。

 知事の「あいくち」発言もあったが、なにかセンスを疑うことが続く。県市トップと県民市民の間に「溝」が生まれなければよいのだが。

高知のニュース 小社会

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月