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2024.01.27 08:00

小社会 水の価値

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 テレビで初めて水のCMを見たのは40年ほど前だったろうか。蛇口をひねれば出てくる水に、いったい誰がお金を払うのかと不思議に思った記憶がある。今ではコンビニや自動販売機で驚くほどたくさんの種類が販売されている。

 ペットボトルとは違った方法で、水に価値をつけたアイデアが整水器だろう。土佐清水市出身の森沢紳勝さんは旅行先の海外で水の可能性に気付き、1982年に日本トリム(大阪市)を創業した(著書「『水』に価値がついた日」)。

 よくよく考えると、水は生命の源であり、人体の約70%を占めている。健康にかかわる機能性が注目されたり、値段がついたりするのも必然だったのかもしれない。

 今年に入って、こうした「付加価値」以前にある、水の「絶対的な価値」を忘れていたと反省した。能登半島の現状に思い知らされたからだ。付加価値も日常の当たり前があってこそ、だと。

 不便な避難生活が長引いている。ライフラインの復旧は進んでいるが、水道は早くて2月末、七尾市では4月以降にずれ込む見通しだ。飲み水はもちろん、手洗いやトイレの水にも窮する状況がそれまで続く。

 今回の地震で復旧が難航する要因に半島の地形が指摘されているが、南海トラフ地震では広域で被害が発生しかねない。長期の避難生活も明日はわが身。能登の地に一日も早く、水の「付加価値」を意識できる生活が戻ってくるよう祈っている。

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