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2024.01.09 08:00

小社会 新米たちと

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 新米は幸せをじんわり感じられる食べ物である。炊いた時のあの艶やかさや香り、食感。おかげさまで今年もいただけましたと感謝の念が湧く。〈新米といふよろこびのかすかなり〉飯田龍太。

 新人をよく「新米」と呼ぶ。「大辞泉」(小学館刊)によると、「しんまえ(新前)」が「しんまい」に変化したというが、新米という字を当てたのはいかにも日本人らしい。新人を迎えた側の喜びや期待も伝わってくる。

 一昨日、高知市などで20歳を祝う式典が行われ、和服やスーツ姿の若者でにぎわった。18歳成年制が導入されたものの、20歳は大人としてはまだまだ新米の域。これから新米社会人になる学生も多い。

 きのうの本紙には式典に参加した若者の声が紹介されていた。それぞれ将来の夢を描きながら語った郷土への愛。できれば高知に「住みたい」「住み続けたい」と。過疎・高齢化が厳しさを増す中、新米たちの言葉はほほ笑ましく、心強かった。

 〈成人の日をありがたく老の身も〉山口青邨。同時に、新米たちが幸せを追求するふるさとにできるか、就職先の確保などベテランの大人たちの責任の重さも再認識させられた。

 新年早々の能登半島地震に心を痛め、南海トラフ地震に思いを巡らせた若者も少なくなかったろう。高知で幸せをつかむにはその覚悟と備えも要る。20歳の門出を晴れやかに祝った後は、あすの地域を一緒に考えていきたいものだ。

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