2024.01.07 08:35
【動画】古木につややかな輝き 杉の大スギ(大豊町)―土佐鳥瞰紀行(106)
「日本一の大杉」の案内板に沿って八坂神社に着いた。にょきっとひときわ高い2本の巨木が、鎮守の森で迎えてくれた。
国の特別天然記念物「杉の大スギ」。境内に根を張る、高さ約60メートルの南大杉(周囲約20メートル)と北大杉(約16・5メートル)。樹齢は3千年と伝わる。根元にぐるりと巻いた長さ30メートルのしめ縄は、毎秋、氏子衆が編んで掛け替えている。
2株の幹に、高さ20メートルほどの銅板が張られている。幹に開いた空洞に雨水が入らないようにと、半世紀前に施されたものだ。年月を経て、銅板は色もたたずまいも木と一体化していた。
ところが2022年9月、台風による暴風で北大杉の銅板の一部が剥がれ落ちた。昨年5月から銅板の上半分を張り替える工事が始まり、腐食や虫の防除も施して11月に完成した。
真新しい銅板が、若木の幹のようにつややかに輝く。神社の総代長、白石定好さん(76)は「子どものころから境内を掃除し、親しんできた。これからも地域の守り神を大切にお世話していきたい」と話す。(佐藤邦昭)