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2024.01.06 08:00

小社会 備えの始まり

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 防災の金言でもある「備えあれば憂いなし」は、中国の古い書物の三段論法に由来するという。書き下すと「安きに居(あ)りて危うきを思う。思えば則(すなわ)ち備え有り。備え有れば患(うれ)い無し」。

 安泰な時こそ、もしもの事態を想定する。そうすれば備えができる。備えがあれば憂いもなくなる―。平時からの危機管理の重要性を説いた。もっとも、いまなお叫ばれ続けるのは、そう簡単ではないからだろう。

 元日に起きた能登半島地震。現地では2007年の地震でも2400棟以上が全半壊した。昨年5月にも震度6強の揺れで亡くなった人がいる。地域には危機感があったはずなのだが…。

 今回は建物に加えて道路の損壊もかなり深刻で、車の通行を阻み、救助や被災者の支援に支障が出ているという。知恵を出し合い、何とか救助・救援を進めてほしいが、そもそも、こうした事態まで想定した防災施策は立てられていたのだろうか。訓練は?

 多重の安全システムで知られる空の交通もまた、隙があった。羽田空港の衝突事故は最も危険を回避すべき滑走路上で起きた。救いは絶体絶命の危機の中、日本航空機の乗客全員が助かったこと。乗務員は日頃から最悪の事態を想定し、緊急脱出の誘導訓練を繰り返していた。

 新年早々の地震と事故が物語る。三段論法の最初、平時に「まさか」をいかに想定するか。金言「備えあれば憂いなし」はそこから始まる。

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