2024.01.03 08:00
【能登半島地震】救助、救援を急ぎたい
1日午後4時10分ごろ、石川県の能登半島で最大震度7の地震があり、津波も発生した。多くの死傷者が出ており、建物の倒壊や火災も相次いだ。
現地では懸命の救助活動が続いている。避難所に身を寄せた住民も、余震が頻発する中、不安な時間を過ごしている。まずは被災者の救助や救援に全力を挙げたい。
気象庁によると、今後も規模の大きな余震に警戒が必要という。寒い時季でもあり、救助や救援は厳しい環境になりかねない。
政府の注力はもちろん、全国からの支援が不可欠だ。東日本大震災や阪神大震災、過去に日本海側で起きた地震の経験も生かしながら、対応を急ぎたい。
地震は石川県輪島市の東北東30キロ付近で発生した。地震の規模はマグニチュード(M)7・6で、北海道から九州にかけての広い範囲で揺れが観測された。
特に能登地方は揺れが激しく、志賀町では震度7を、輪島市や珠洲市などで6強を観測した。新潟県内でも6弱が観測された。
一方、能登地方には一時、大津波警報が出され、輪島港では1・2メートル以上の津波を観測。日本海側の広い範囲に津波警報や津波注意報が出て、警戒が続いた。
被害の全容はいまだつかめていないが、石川県内の死者は増え続けてる。けが人は富山や福井、新潟など周辺県にも及んだ。
倒れた建物に住人が閉じ込められる事態も多発。道路も各地で激しく損傷した。国土地理院によると、輪島市で最大約3メートルの地表の隆起が観測されており、激しい変動を物語っている。
輪島市では約200棟が燃える大規模火災も起きた。冬場の地震の怖さを再認識させられる。
津波の発生に伴い、沿岸では多くの住民が高台や高い建物に避難した。しかし、揺れによる建物や道路の激しい損傷は、素早い避難や安全や避難路の確保に支障があったのではないかと推測される。
道路の状況などは救助隊の通行や活動にも影響しかねず、心配だ。被災者の体温を奪う冬は特に救助にスピードが求められる。
帰省先や旅行先で被害に遭った人もいるだろう。揺れの後、着の身着のまま避難し、家族や親類と連絡が取れない人もいるのではないか。停電や断水の被害も大きいようだ。避難者の対応やライフラインの復旧も急がれる。
被災地では既に自衛隊が活動しており、各地の消防や災害派遣医療チーム(DMAT)なども続々派遣されている。広域での支援を加速させたい。
本県も将来、南海トラフ地震が起きれば、同様、いやそれ以上の過酷な状態に置かれる恐れがある。北陸の状況は人ごとではない。