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2023.12.21 08:34

デジタルコピー入れ歯、高知県地場産業大賞に 歯科技工士不足を救う「ヤマキン」の新技術 入れ歯の形状を3Dデータ化、迅速に再現  

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県地場産業大賞に輝いた、デジタルコピーされた入れ歯

県地場産業大賞に輝いた、デジタルコピーされた入れ歯


 高知発の優れた製品や技術、地域活動をたたえる第38回県地場産業大賞が20日発表され、歯科材料メーカー、ヤマキン(香南市)の「地域の歯科技工士がつくるデジタルコピーデンチャー」が大賞に輝いた。入れ歯の形状を3Dデータ化して保管し、不具合などの際はデジタル技術を活用して高品質なスペアを迅速に作る新技術。不足する歯科技工士の負担軽減につながる点などが評価された。

 デンチャーは英語で「入れ歯」の意味。入れ歯の3Dデータを基に、切削加工機でポリカーボネートのブロックから形状を正確に再現し、摩耗しにくいコーティング材で着色してスペアを作る。樹脂を型に流し込む従来方法に比べて割れやにおいが生じにくく、技工士の手作業も1日前後と、従来の3分の1で済むという。

 県内の歯科技工士は180人(2020年国勢調査)で、20年前から半減している。山本樹育(しげなり)社長(46)は「入れ歯がなくて困る時間を減らし、技工士の労働環境も改善できて地域医療の持続につながる」と説明。「これを機に全国に広くこの技術を知ってもらいたい」と受賞を喜んだ。

 ヤマキンの大賞受賞は、18、21年度に続き2年ぶり3回目。

 地場産業大賞は、県産業振興センターが1986年から開催。今年は一般の部に昨年より1件少ない56件の応募があり、大賞のほか14件が入賞した。高校生の部は来年1月中旬に発表される。(竹内悠理菜)

さらに詳しく解説した記事はこちら↓
デジタル技術で入れ歯を強く手軽に 患者も技工士も負担減 高知県地場産大賞のヤマキン

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