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2023.12.17 08:00

小社会 まぎらワシ

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 新聞やテレビ、インターネットにあふれる広告は、世相を映す鏡として重宝する一方、怪しげな内容や表現も多い。そんな時は「JAROってなんじゃろ?」で知られる日本広告審査機構。不適切な広告の改善を促している。

 各媒体ではうそつきの「ウソぴょん」、大げさな「コダイ」、紛らわしい「まぎらワシ」というキャラクターが啓発活動に忙しい。よく「今だけお得」「飲むだけで痩せる」といった表現に意見が寄せられるのだとか。

 政界では最近「実質負担ゼロ」が話題になった。岸田文雄首相が少子化対策の財源を説明する時に使った表現だ。歳出削減と賃上げで社会保険の負担を軽くすれば、新たに支援金を徴収しても家計負担は増えないとの理屈らしい。

 でも賃上げは民間の話。政府が保証してくれるわけではない。せっかくの賃上げが支援金で帳消しにされるのも普通は負担に感じよう。値上げラッシュで節約に頭を悩ませる生活者には、疑問ばかりが浮かんでくる。

 目玉施策となる大学の「無償化」にも、ぬか喜びだった子だくさん家庭が多いのでは。私立大の場合、授業料の補助は年70万円が上限。授業料の平均額に届かない。うそとまでは言わないにしても、やはり大げさで紛らわしい。

 自民党派閥の裏金疑惑に揺れる岸田政権は、人事を刷新して信頼回復に臨む。政界に対してJAROの役割を果たすのはむろん有権者。厳しく審査しなければ。

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