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2023.12.15 08:00

小社会 食えない

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 日本人に愛されている野菜といえば、いまが旬の白菜は外せないだろう。鍋料理の必需品であり、漬け菜としても人気がある。ところが、日本での歴史は意外に浅いようだ。

 平凡社の「大百科事典」や板倉聖宣著「白菜のなぞ」によると、白菜は中国原産で、1875(明治8)年に日本に導入されたが、栽培が広がったのは大正になってからだった。「採種がうまくいかず定着しなかった」という。

 白菜は大根やカブ、小松菜などと同じアブラナ科の植物。後に判明したのだが、同じ科の野菜や草と交雑しやすく、結球しなくなったり、食感や味が劣化したりしやすかった。

 それがよく分かる映像が動画投稿サイト「ユーチューブ」にある。自家採種の白菜作りに挑戦した動画で、なるほど交雑のせいだろう。見た目は立派だが、白菜とは言いがたい代物になっていた。

 それを見て、裏金問題に揺れる自民党の姿が重なった。党や派閥の下に集まってくる議員は最初は皆、公明正大で、秀でた人たちだったはずだ。それが朱に交われば赤くなり、次第に意識が劣化していったに違いない。

 岸田首相がきのう、渦中の閣僚らの「更迭」に踏み切った。「自民の体質を一新すべく先頭に立って闘う」と意気込んだが、当事者は説明責任すら果たそうとしないのだから説得力がない。そもそも「政治とカネ」の問題がなぜ後を絶たないのだろうか。食えない政治家が増えた。

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