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2023.11.24 08:00

小社会 報連相

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 ホウレンソウがおいしい季節になった。栄養が豊富な上、寒くなると甘みも増すから、毎日でも食べたくなる。最も愛されている冬野菜の一つだろう。

 これにうまく掛けたのが、組織人の心得、「報連相」こと「報告・連絡・相談」である。1982年、当時の準大手証券の一角、山種証券の社長だった山崎富治さんが社員に提唱したのが始まりという。

 会社が大きくなるにつれ、社内の情報共有がうまくできなくなっていた。悩んでいたところ、入浴中に思い付いたらしい。ホウレンソウで人が健康になるように報連相で会社を元気にしよう、と(著書「ほうれんそうが会社を強くする」)。

 これが瞬く間に世間に広がるとは本人も想像していなかっただろう。評判を聞きつけた当時の中曽根康弘首相も自民党内の自派閥に導入。結束固めを図ったというから、ずいぶん共感を呼んだに違いない。

 それから40年余り、いまや報連相はどの組織でも常識である。ただ、ややもすれば部下にのみ課される心得になっていないだろうか。山崎さんが説いたのは「上下の報告」「左右の連絡」「上下、左右にこだわらない腹を割った相談」だった。

 つまり組織全体の風通し。報連相にはそれを上司やトップが生かす姿勢が欠かせず、「臭い物にふた」は「大敵」とした。旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団、日本大学の問題、いまの政権…。どれもゆがんだ報連相が見えてくる。

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