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2023.11.17 08:00

小社会 5県タッグ

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 コロナが大流行した時期、東京に単身赴任をしていた。感染予防のため、「おうち時間」が増加。店が閉まって外食もままならず、自炊に励んだものだ。

 東京のスーパーには各地の郷土料理の食材が結構ある。例えば、今ごろは秋田名物きりたんぽが並ぶので、きりたんぽ鍋にも何度か挑戦したことがある。昔食べた本場の味には遠く及ばなかったが。 

 秋田ファンという俳優の本上まなみさんが書いている。「この鍋の醍醐味(だいごみ)は、やっぱりおだしを吸ったたんぽにありますね」(エッセー「落としぶたと鍋つかみ」)。納得。だしや具材の味が染み込んだきりたんぽは絶品だ。

 秋田は地酒もうまく、豊かな食文化を感じる。ただ、秋田県知事のあの発言はいただけない。四国の料理は「貧乏くさい」「うまくない」―。さすがに後日平謝りし、一昨日は東京で四国4県と秋田の合同物産展も開催した。埋め合わせるべく、知事自らが四国をPRしたようだ。

 もっとも愛媛名物のじゃこ天は、貧乏くさい発言で話題になり、生産業者への注文が急増した。高知のどろめや地酒も注目されたのなら、結果オーライではある。

 本上さんにはきりたんぽ鍋の魅力がもう一つあるという。「鍋終盤、長時間煮こまれたきりたんぽが底のほうからひょっこり発見される」。異例の5県タッグ。一過性に終わらせず、互いのよさを吸収し合っていけば将来、意外な発見があるやもしれない。

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