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2023.11.11 08:42

バラ園で猪野々を元気に 移住夫婦が荒れ地を整備 高知県香美市11/12に祭り

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近所の荒れ地をバラ園にした近森正志さんと、妻のみどりさん(写真はいずれも香美市香北町猪野々)

近所の荒れ地をバラ園にした近森正志さんと、妻のみどりさん(写真はいずれも香美市香北町猪野々)

 香美市香北町猪野々の荒れ地をバラ園に生まれ変わらせ、地域の再興に取り組む移住夫妻がいる。漂白の歌人、吉井勇が愛した里山で進む人口減を目の当たりにして奮起。バラ園で音楽などを楽しむイベントも準備し、にぎわいづくりに力を注いでいる。

 大阪でサラリーマンだった近森正志さん(66)と、妻のみどりさん(60)。正志さんは幼少期を香南市で過ごし、老後は高知で暮らしたいと考えていた。たまたま見た不動産サイトで猪野々の古民家を知り、現地へ。「桃源郷のよう」と即決、10年前に正志さんが移り、後にみどりさんが合流した。

 住み始めて気付いたのが、高齢化で住民がどんどん減っている地区の現状。吉井勇記念館に程近い自宅の周りには家屋跡などがあり、背丈ほどの雑草が茂っていた。近森さんは「猪野々の玄関口をきれいにしたい。外からも人が来て交流できる場所になるはず」と一念発起。周辺の土地所有者に相談し、約1500平方メートルをバラ園にすることにした。

 2019年夏、草刈りからスタート。土を掘り起こして岩を運び出し、芝生を敷いた。バラは徐々に増やし、約150種200本になった。

芝生を敷き詰めたスペースでは地域を盛り上げるイベントを定期的に開いている

芝生を敷き詰めたスペースでは地域を盛り上げるイベントを定期的に開いている

 昨秋から開花時季に合わせて「バラ祭り」を開催。今月12日にも、アンデス音楽と色とりどりの約100本が楽しめる3回目を企画している。夫妻は「単発で終わらせるのではなく継続的に人に来てもらい、祭りを浸透させたい」と意気込む。

 地区住民も注目しているといい、「『うちの畑にもバラを植えてくれんか』と言ってくれる人もいて。バラを生かした新しい里山のかたちを示し、地域を未来につなげたい」。夫妻の挑戦はまだまだ続く。

 バラ園は入園無料だが、事前の連絡が必要。問い合わせは、みどりさん(090・9865・1773)へ。(福井里実)

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