2024年 04月29日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

高知新聞PLUSの活用法

2023.11.04 08:00

小社会 マンモスの危機

SHARE

 悠久の時の流れは、現代に数多くの謎を残す。生物や文明の盛衰などは、その最たるものだろう。マンモスが絶滅した理由も知的好奇心、ロマンをかき立てる。近年は科学技術の発達に伴って、興味深い考察が示されている。

 「最終氷期」の9万年ほどの間、北半球を闊歩(かっぽ)したマンモス。温暖化で生息域が縮小し、かつては約1万1千年前に姿を消したとされていた。それが研究が進み、ロシア・シベリア沖の離島で約4千年前まで生息したことが判明している。

 ついのすみかが明らかになって、絶滅の原因も絞り込まれつつあるという。それでもえさとなる植生の変化、隔離された環境による近親交配、感染症など諸説あり、真相の解明にはまだ時間がかかりそうだ。

 国内最大規模を誇るこちらの「マンモス」も存続の危機といってよい。アメリカンフットボール部の薬物事件で揺れる日本大。大学側の対応を検証した第三者委員会が報告書を公表し「組織統治が機能不全」とその原因を突きつけられた。

 林真理子理事長、元検事の副学長、部の指導陣がそれぞれ職責を果たさず、情報共有もままならないと指摘。責任逃れの事なかれ主義がまん延し、このままでは「再生できない」とさじを投げられた格好だ。

 少子化という「氷河期」を迎え、大学は激しい競争下にある。不祥事が続く体質を改善できないなら、巨大なマンモスとはいえ自然淘汰(とうた)の波にのまれかねない。

高知のニュース 小社会

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月