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2023.10.28 08:00

小社会 数病息災

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 無病息災はもとより理想ではあるけれど、大病を患う友人が増える年代になると、どこかしら不調に悩まされる。一病息災という四字熟語もすっかり市民権を得て、手元の辞書にも「ちょっとした病気のある人のほうがからだに注意するので、健康な人よりもかえって長生きするということ」(大辞泉)とある。

 せめてそうありたいと願いはしても、現実は悲しいかな、「からだのあっちこっちが、前後脈絡なく故障を起すので閉口する」。劇作家の故木下順二さんも「数病息災」と題したエッセーで嘆いていた。共感される方もおられよう。

 そうなると症状悪化の不安に加え、あれもこれも値上がりするご時世に医療費の負担感も増す。そんな懐に優しいのがジェネリック医薬品(後発薬)だ。小欄も1年ほど前、持病に後発薬が出てほぼ半額になった。

 大いに当てにしたいものだが、ここのところ深刻な供給不足が続いているという。2020年以降、後発薬のメーカーで不祥事が相次いだ影響を引きずるなか、今度は最大手の沢井製薬(大阪市)でも品質試験の不正が見つかった。

 医療費抑制に向け、国もジェネリック普及の旗を振るが、一部にはまだ後発薬への不安が残っているようだ。健康に関わる薬に、信頼より効き目のある成分はあるまい。

 高齢社会で一病息災、数病息災へのニーズは膨らむ。頼られる業界となるよう、体質改善の処方箋はしっかりと。

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