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2023.10.20 08:37

わら焼き灰で内原野焼 「持続可能」テーマ、釉薬に活用 高知県安芸市

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わら焼きの灰で作った釉薬を使った内原野焼の皿(高知市のかつお船)

わら焼きの灰で作った釉薬を使った内原野焼の皿(高知市のかつお船)

 安芸市川北乙の内原野陶芸館が「持続可能」をテーマとした観光商品づくりを進めている。着目したのは本県の名物、カツオのたたき。わら焼きで生じる灰を釉薬(ゆうやく)に用い、高知色豊かな皿作りに取り組んでいる。

 わら灰を提供したのは、高知市仁井田のドライブイン「かつお船」。門田英裕社長(39)によると、観光客に人気のわら焼き体験では年間約20トンのわらを使うといい、残った灰は使い道がなく廃棄するしかなかったという。

 その状況を知った県東部観光協議会が、持続可能を具現化するような観光資源を模索していた内原野焼への活用を提案。陶芸館の西邨出さん(52)が今春、約1キロ分のわら灰を譲り受け、釉薬作りに着手した。

釉薬は黒っぽいが、焼き上げると白っぽくなるという(安芸市の内原野陶芸館)

釉薬は黒っぽいが、焼き上げると白っぽくなるという(安芸市の内原野陶芸館)

 釉薬は、灰を3週間ほど水に浸してあく抜きし、ほかの材料と調合して作る。最初の試作品では、縦横30センチの皿を焼き、釉薬を3方向からひしゃくで流しかけ、重なりを表現。焼き上げてみると、釉薬の層が厚い部分ほど白く濁ったような色合いが生まれ、西邨さんは「灰に付着したカツオの脂や塩がどう影響するか心配したが、いい仕上がり。天然物ならではの雑味が渋い感じやね」と満足げ。

 門田社長のリクエストで、西邨さんは第2弾として小さめの皿を制作。カツオのたたきを盛り付けると想定して、波打ち際をイメージした仕上がりになるよう釉薬を施した。門田社長は「一目で海を連想するデザイン。カツオとの相性はばっちり」と喜ぶ。

 わら灰の釉薬は今後、陶芸館での焼き物体験に用いるほか、かつお船の土産物売り場に内原野焼のコーナーを設けるなどしてPRしていく予定という。(宮内萌子)

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