四万十町沖で珍魚キテンハタつられる

2023.10.11 05:00

四万十町沖で珍魚キテンハタつられる

高知新聞社

四万十町沖でつられたキテンハタ（高知市内でさつえい）

　おいしそう…と思(おも)ったら珍魚(ちんぎょ)！？　日本(にほん)では確認(かくにん)された数(かず)が少(すく)ないハタ科(か)のキテンハタが、四万十(しまんと)町(ちょう)沖(おき)でつり上(あ)げられました。国内(こくない)では標本(ひょうほん)に基(もと)づく正式(せいしき)な記録(きろく)が８例(れい)ほどしかない珍(めずら)しい魚(さかな)で、県内(けんない)にも標本(ひょうほん)はなく、高知(こうち)大学(だいがく)のコレクションに加(くわ)えられることになりました。

　高知(こうち)市(し)六泉寺町(ろくせんじちょう)の会社員(かいしゃいん)、島村()公平()さんは9月(がつ)１７日(にち)午前(ごぜん)１１時(じ)ごろ、四万十(しまんと)町(ちょう)志和(しわ)の沖合(おきあい)でボートをうかべ、ハタやカサゴの仲間(なかま)をねらっていました。ルアーを深(ふか)さ約(やく)７０メートルの海底(かいてい)に落(お)とし、巻(ま)き上(あ)げ始(はじ)めたところでヒット。上(あ)がってきた魚(さかな)は全長(ぜんちょう)４１センチメートル。背中(せなか)などに黄色(きいろ)っぽい点(てん)が散(ち)らばっていました。

　インターネットなどで調(しら)べて希少種(きしょうしゅ)だと判断(はんだん)。「食(た)べたいけど研究(けんきゅう)に役立(やくだ)ててもらおう」と、高知(こうち)大学(だいがく)に寄贈(きぞう)しました。

　高知(こうち)大(だい)名誉(めいよ)教授(きょうじゅ)の町田()吉彦()さんと、高知大(こうちだい)海洋(かいよう)生物(せいぶつ)学(がく)研究室(けんきゅうしつ)の遠藤()広()光()教授(きょうじゅ)（魚類(ぎょるい)分類学(ぶんるいがく)）がキテンハタと確認(かくにん)。インド・西(にし)太平洋(たいへいよう)の熱帯(ねったい)から温帯(おんたい)水域(すいいき)に広(ひろ)く分布(ぶんぷ)しますが、国内(こくない)では珍(めずら)しく、尾(お)びれの下(した)３分の(ぶんの)２ほどが暗(くら)いグレーであることなどが特(とく)ちょうといいます。

　キテンハタの日本(にほん)周辺(しゅうへん)の分布(ぶんぷ)には不明(ふめい)な点(てん)がたくさんあります。東南(とうなん)アジアや中国(ちゅうごく)では養殖(ようしょく)され、過去(かこ)に国内(こくない)に持(も)ちこまれたこともあるそうです。遠藤()教授(きょうじゅ)は「外来(がいらい)種(しゅ)かどうかは遺伝子(いでんし)などをくわしく調(しら)べないと分(わ)からない。なやましい魚(さかな)です」と話(はな)しています。

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