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2023.10.05 08:00

小社会 金メダル

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 米国でかつて時の人となったローイング(旧ボート競技)の女子選手にスーザン・フランシアさんがいる。2008年北京五輪、12年ロンドン五輪と連続して金メダルに輝いた。

 ハンガリー生まれで、2歳の時に両親に連れられ渡米した。高校ではバスケットボールに打ち込んだが、ほとんど出番のない控え選手だったというから、人の才能とは分からないものだ。

 大学2年でボート部に入ると、まさに水を得た魚のように。「やっと、自分の可能性を最大限に引きだせるものが見つかって、最高にうれしかった」(エレナ・ファヴィッリ著「世界を舞台に輝く100人の女の子の物語」)。全米、世界の頂点に上り詰める。

 その活躍から十数年。いま科学の金メダルで話題になっているのが、米ペンシルベニア大特任教授のカタリン・カリコさんだ。新型コロナウイルスのワクチン開発につながる研究により、ことしのノーベル生理学・医学賞に選ばれた。

 1985年、祖国ハンガリーの経済が行き詰まり、研究活動も難しくなって、やむなく一家で渡米した。そう、彼女こそがスーザンさんの母。新天地で親子それぞれがアメリカンドリームをつかんだというわけだ。

 もちろん「一夜にしてできたわけではない。長く曲がりくねった道のりがあった」とカリコさんは振り返る。それでも出自に関係なく、道が開かれる。さすが米国だと思わせる親子の金メダル獲得である。

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