コウノトリが津野町に飛んで来た！　兵庫生まれの幼鳥

2023.10.09 05:00

コウノトリが津野町に飛んで来た！　兵庫生まれの幼鳥　

高知新聞社

田んぼでえさを探すコウノトリ（津野町船戸＝上西昇さんさつえい）

　国(くに)の特別(とくべつ)天然(てんねん)記念物(きねんぶつ)のコウノトリ１羽(わ)が９月(がつ)２６日(にち)、津野(つの)町(ちょう)船戸(ふなと)に飛(と)んで来(き)ていました。両足(りょうあし)の足環(あしわ)の色(いろ)と個体(こたい)番号(ばんごう)から、兵庫(ひょうご)県(けん)豊岡(とよおか)市(し)で生(う)まれた幼鳥(ようちょう)と分(わ)かりました。

　２６日(にち)午前(ごぜん)６時半(じはん)ごろ、津野(つの)町(ちょう)船戸(ふなと)の上西()昇()さん（７３）が散歩(さんぽ)中(ちゅう)に自宅(じたく)近(ちか)くで発見(はっけん)しました。いねをかり取(と)ったばかりの田(た)んぼで虫(むし)をつついたり、水路(すいろ)でカエルなどをねらったりしていました。小屋(こや)の屋根(やね)に飛(と)び移(うつ)った後(あと)、午前(ごぜん)９時(じ)ごろに南西(なんせい)の方角(ほうがく)に飛(と)び立(た)ったそうです。

　保護(ほご)や繁殖(はんしょく)に取(と)り組(く)む、豊岡(とよおか)市(し)の兵庫(ひょうご)県立(けんりつ)コウノトリの郷(さと)公園(こうえん)によると、幼鳥(ようちょう)は今年(ことし)４月(がつ)に生(う)まれたメス。どのタイミングで市外(しがい)に出(で)たかは分(わ)かりませんが、「暮(く)らしていた場所(ばしょ)でえさが不足(ふそく)し、高知(こうち)に行(い)ったのでは」としています。

　野生(やせい)のコウノトリは１９７１年(ねん)に絶滅(ぜつめつ)しましたが　旧(きゅう)ソビエト社会主義共和国連邦(しゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう)から提供(ていきょう)を受(う)けて豊岡(とよおか)市(し)周辺(しゅうへん)で野外(やがい)繁殖(はんしょく)に成功(せいこう)。県立(けんりつ)コウノトリの郷(さと)公園(こうえん)によると、全国(ぜんこく)の野外(やがい)で生息(せいそく)する数(かず)は２０２０年(ねん)に２００羽(わ)をこえ、今年(ことし)８月(がつ)には３８３羽(わ)が確認(かくにん)されているそうです。

　上西()さんは「何(なに)かが起(お)こる予感(よかん)がしてカメラを持(も)って散歩(さんぽ)していた。さつえいできて、とてもうれしい。次(つぎ)は家族(かぞく)でいっしょに来(き)て、すみ着(つ)いてほしいですね」と話(はな)していました。

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