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2023.09.18 08:32

世の中を支える自負 溶接工 隅田元希さん(31)南国市―ただ今修業中

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8月に導入した協働ロボットを調整する隅田元希さん。何ができるかを模索する(南国市岡豊町中島)

8月に導入した協働ロボットを調整する隅田元希さん。何ができるかを模索する(南国市岡豊町中島)

 産業機械メーカーの「垣内」(南国市)の工場に、バリバリバリッという音が響く。溶接機から放たれる強烈な光。火花が飛び散る。

 「作業中は扇風機が使えないし、頭巾に防護服、マスク。夏は作業着の汗が絞れるぐらい。すぐ近くで火が出るわけですから。溶接って、3K(きつい、汚い、危険)ですよ」

 自嘲気味に話すが、表情は暗くない。

 もともと、製造業に関心があったわけではない。地元の仁淀高校を卒業し、高知職業能力開発短期大学校(香南市)に進んだのは「友達が行くから」という単純な理由から。

 垣内でインターンシップをすると、「雰囲気が良く、指導してくれた先輩社員も優しい」と好印象を受けた。2013年4月に入社して以来、溶接工一筋だ。

 最初は、先輩が手掛けた溶接の仕上げ作業から。失敗もあった。「2、3年はいつも辞めようと思っていた」。あっという間に10年が過ぎた。

 「やりゆううちに慣れるし、仕上がりも良くなる。それに何年もやってると、責任感も出てくるじゃないですか」

 溶接を受け持つ8人の社員では下から2番目の若手。今では先輩たちの信頼も厚い。

 ◆

 「ロボットを、やってみんかえ」。上司からそう声を掛けられたのは3、4年前。

 同社は当時、「西日本では他にない」という、極厚の鉄板を溶接する大型ロボットの導入を準備していた。

 「将来的に人員が限られる中で、ロボット化は不可欠」と垣内大輔社長(58)。ただ、ロボットには、電流や電圧、溶接するスピードなどを事前に設定する「ティーチング」という作業が必要。より良く使うには人のスキルが重要になる。

 既にタイプの違うロボットは1台あったが、「触ったことはなくて、難しそうだなと思っていた」。新しい挑戦に意欲がわいた。「大事な仕事を任されたうれしさ」もあった。

 今年8月、新たに小さな部品の溶接を得意とするロボットが導入された。細かく複雑な動きができる分、ティーチングで決めるべきことが多い。

 「面白い。実際に溶接するより向いているかも」と笑う。

 ◆

 同じ部品を数多く作るならロボットの方が品質は安定する。何より、人間が休んでる間も作業を進めてくれる。自動化の恩恵を身近にして、「ロボットで扱える部品を増やしていきたい」と意気込む。

 半面、改めて実感することもある。「ロボット溶接は表面がざらざらで、部材の端に溶接できん部分が残る。人間じゃないとできんことは必ずある」

 部材をくっつけ、組み上げて一つの製品ができる。その機械がものづくりの現場で活躍して新たな製品を生み、社会を良くしていく。「溶接なしでは、世の中は成り立たん」

好きな言葉

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 慣れた部材でも「何も問題を起こさんといてくれよ」といつも願う。「もちろん大丈夫と思って仕事はするけど、どんなものでも100%はないから」。自負とともに、責任感が増す。

 写真・河本真澄
 文 ・大山泰志

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