2023.09.12 08:00
であう、きづく、つくる 高知新聞社新社屋 人と人、人と情報が集う場に つながる空間、多彩に活用予定
来客機能の強化や社内の情報共有に向けて充実させた会議室。大型モニターで資料を共同編集しながらのミーティング風景
旧社屋に関しては、部署ごとのスペースが昨今の働き方に合っていなかったり、部内外の連携がしにくく非効率な部分が課題として浮かんだり。新社屋に向けては、来客対応を充実させたい、情報共有を促進したいといった前向きな声が上がりました。
新社屋のコンセプトを練り上げる基となった、社員によるワークショップ(2020年8月)
執務フロアの4~7階では、窓辺を中心に、誰もが自由に使えるミーティング席や集中ブースを配し、サンゴの赤や清流の青、森の緑など、高知の自然をイメージしたアクセントカラーで彩りました。また、部署ごとの仕切りを廃することで、隣の部署の仕事ぶりがそこはかとなく分かり、会話や連携、共創が生まれることに期待しています。
従業員みんなが集える場として8階にラウンジも設けました。社外の方にも楽しんでいただけるようなしつらえにしています。
「実は…」の仕掛けも
社屋移転プロジェクトを進めるに当たっては、オフィスソリューションを手掛けるオカムラ(横浜市)と岡村文具(高知市)に伴走してもらいました。マネジメントを手掛けたオカムラの皆さんからのメッセージを紹介します。
□ □
マネジメントを手掛けた皆さん
このコンセプトを具現化するために、部署間・社内外を超えて交流できるラウンジや、情報を発信・受信できるコーナーのような“場”を設けました。またラウンジの“意匠”では、五台山から見える景色を表現したグラフィックが、近づいて見ると常用漢字で構成されていたり、受付を彩るパネルに1枚だけ県産材を使用していたりなど、「実は…」という要素を入れて、気付きを与えることを意識しました。
インテリアは「多面」意識 壁面に活字で「パノラマ」
従来の社屋と違い、県民、読者の皆さんをお迎えするエントランスとロビーは最上階の8階になります。新社屋のコンセプト「であう、きづく、つくる」を象徴的に具現化したフロアであり、高知県に根差す企業として、高知らしさにもこだわりました。従業員の憩いや交流の場として日常使いをしつつ、社外の方々とのつながりを広げる舞台としてもさまざまな催しに活用していきます。
8階でエレベーターを降りると、左手が“正面玄関”になります。森林県・高知に敬意を表し、カウンターには高知県産のヒノキを使いました。多様な事業展開を目指す姿勢を表現しようと、インテリアは「多面」をキーワードにデザイン。カウンターの形も多面体とし、面ごとに正目や板目などの木目を使い分け、表情豊かに仕上げました。
壁には土佐漆喰(しっくい)をこてで塗り、その上には多面体の展開図をモチーフにした装飾パネルをリズミカルに配置。パネルの数は、高知県内の市町村数と同じ34です。これからも末永く、地域と共に歩んでいくという思いを表しています。
ロビー壁面には活字の濃淡で景色を表現したグラフィック
そして、エントランスやロビーの奥にはラウンジが広がります。こちらの目玉は55インチの画面を9面組み合わせたマルチモニター。日頃は社員向けのスペースとしてニュースや癒やし系の映像を流す一方、社外の方を招く会社説明会やセミナーなどの際には資料や動画を大きく映し出します。
9面マルチモニターを備え、多目的に使えるラウンジ
8階の空間をつながりの拠点と位置づけ、社員からは「取材に生かしたい」「勉強会を企画したい」「新聞ばっぐ教室を開きたい」とさまざまな活用案が挙がっています。来年の創刊120周年に向け、多くの方々に集っていただけるよう、企画を練っていきます。どうぞご期待ください。
新社屋特集は記事を松井久美、川戸未知、写真撮影を飯野浩和、河本真澄、紙面編集を宇田渡、山下正晃、今川彩香が担当しました。