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高知新聞PLUSの活用法

2023.09.12 08:00

いつ何時も確かな情報を 免震ビルで災害に備え 高知新聞社

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免震構造で支えられた「高知電気ビル新館」。高知新聞社は4~8階に入居している(写真はいずれも高知市本町4丁目)

免震構造で支えられた「高知電気ビル新館」。高知新聞社は4~8階に入居している(写真はいずれも高知市本町4丁目)

 高知県が避けて通れない南海トラフ地震。年々、その発生確率は上がっています。地震以外にも、風雨や雷など自然災害の脅威は常に私たちのそばにあります。いつ何時も、確かな情報を確実かつ迅速に、必要とされる方の手元に届ける―そのことを念頭に、高知新聞社は新社屋でもさまざまな備えをしています。

地震の揺れを緩和する免震装置。17基がビルを支えている

地震の揺れを緩和する免震装置。17基がビルを支えている

 入居した「高知電気ビル新館」は免震構造。地下1階、地上9階建て(延べ床面積7566平方メートル)で、地下部分では17基の柱がビルを支えています。柱のそれぞれに、直径約1メートル、厚さ40センチほどの巨大なゴムの装置がはめ込まれ、地震の揺れをビルに直接伝わらせず、揺れを緩和しながら建物を守る仕組みです。この構造が入居を決めた大きな要素であり、高知新聞社は4~8階に位置しています。

 もう一つのポイントは賃貸ビルへの入居です。旧社屋でも南海トラフ地震を想定して耐震工事を済ませていましたが、昭和40年代に建てられたビルは老朽化が加速度的に進み、年々、建て替えの必要性が高まっていました。被災した場合の業務継続を考え、シミュレーションを行ったところ、巨額の費用を要する建て替えよりも、賃貸ビルへの入居なら初期投資とランニングコストを少しでも抑えられる、という結論に至りました。自社ビル建設中の仮住まいや引っ越しにかかる費用も大きく軽減されます。

 そうした判断の下、社屋移転プロジェクトは2019年度に始まり、ビルの建設と同時並行で進んできました。建設計画の段階から入居を決め、ビルオーナーの四電ビジネスにさまざまな要望を出しつつ、災害への備えを担保することができました。

ビル屋上に設置した非常用発電機

ビル屋上に設置した非常用発電機

 屋上には非常用発電機と、1200リットル入る重油タンクを独自に設置しました。災害などで電力供給が途絶えた場合でも、最大で2日半ほどの業務継続ができる計画です。

 県内いずれかの地点で震度5強以上を観測する地震が起きた場合などには社長をトップとする災害対策本部を立ち上げ、取材や新聞販売、広告営業の各担当は、各地の状況把握や安否確認を急ぎます。非常時には社の業務を情報発信に特化してフロアごとに機能を集約することとし、非常用電源も優先順位を付けながら配分しました。

 正確な情報を素早く適切に届けるため、発信や伝達に関わる部署と、備蓄などの後方支援に携わる部署とが連携して業務に当たります。全社を挙げて備え、取り組みの精度を高めていきます。


 新社屋特集は記事を松井久美、川戸未知、写真撮影を飯野浩和、河本真澄、紙面編集を宇田渡、山下正晃、今川彩香が担当しました。

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