2023.08.30 07:17
中国、是正期間必要と主張 日本製ステンレスの関税で
スイス西部ジュネーブにあるＷＴＯ本部＝２０２２年１０月（ロイター＝共同）
【ジュネーブ共同】世界貿易機関（ＷＴＯ）は２９日、中国が日本製ステンレス製品に課した反ダンピング（不当廉売）関税がＷＴＯ協定違反と認定されたことを巡り、中国から是正までに「適切な期間が必要だ」との通知を受けたと発表した。
中国の通知は２５日付で、２４日に始まった東京電力福島第１原発の処理水の海洋放出と関連しているのかどうかは分かっていない。ＷＴＯの紛争処理機関（ＤＳＢ）で７月２８日に日本側の「勝訴」が確定したが、是正期限は日中両国で協議して決めることになっている。
中国は通知で「日本との協議に応じる用意がある」と表明。日本は速やかな是正措置を求めており、期限に不服がある場合はＷＴＯに仲裁を求めることができる。
中国は、日本製ステンレス製品が不当に安く販売されて国内産業が損害を受けたとして２０１９年７月から追加関税を課した。日本はＷＴＯに提訴し、一審判決に相当する紛争処理小委員会（パネル）は今年６月、中国に是正を勧告する報告書を公表した。中国は上訴しなかった。
